バスラオ徹底解説
イッシュ地方のピラニア風の魚
デザインの元になっているのは淡水魚で、おそらくブラックバスや、ピラニアを思わせる特徴も取り入れられている。大きな口と攻撃的な態度は、縄張りをめぐって争う個体の図鑑説明とよく合っている。赤と青で分かれた2つの集団が対立するという発想は、縄張り意識の強い魚として知られるベタにも通じる。
この選択にはイッシュ地方とのつながりがある。イッシュ地方はニューヨークの要素を取り入れており、その地域にはブラックバスが生息している。赤、白、青の色も、アメリカを意識したモチーフと無理なく結びつく。しろすじのすがたはあとから加わったもので、シルエットはサケに近い。口先や、成長したオスの行動によって、もともとの2つのすがたとは見た目の違いが出ている。
対立する2つの群れから進化先のある種族へ
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』では、あかすじのすがたとあおすじのすがたしか存在しなかった。しろすじのすがたは『Pokémon LEGENDS アルセウス』で登場し、反動ダメージの蓄積を条件とする独自の進化先、イダイトウが追加された。後の作品でバスラオが登場すると、3つのすがたは同じ種族として共存するようになったが、色の模様を自由に変えることはできない。
この点は、育成やパーティー編成で重要になる。間違ったすがたを捕まえても、あとから道具やフォルムチェンジで直すことはできない。イダイトウ を手に入れるには、最初からしろすじのすがたを選ぶ必要がある。
牙をむいて攻撃する代償
数値が示しているのは、耐久型ではなく素早いアタッカーだ。98のすばやさがあれば、冒険中に出会う多くの種族より先に動ける。92のこうげきも、かみくだく、とっしん、ウェーブタックルといった物理技を支える。すてみは反動技を強化してくれるが、その代償として攻撃のたびにHPを失う。戦闘が長引くほど、初動の火力より消耗のほうが重くなる。
通常の冒険では、みずタイプが弱点を突けるほのお、じめん、いわの相手に出すとよい。アクアジェットならすばやさに頼らず戦闘を終わらせられる。れいとうビーム、こおりのキバ、しねんのずつきを加えれば、みず技に耐性を持つ相手への対応範囲も広がる。なみのりやハイドロポンプで80のとくこうを活かし、特殊アタッカーとして使うこともできるが、両方の型を混ぜると役割がぼやけやすい。
名前とライバル関係
Basculinには、ブラックバスやバスに関係する英語の bass が含まれており、英語名には男性を指す要素もある。日本語のバスラオも、bassの音を残した バスラオ という名前になっている。全体として、まず魚であることを示し、そこに色や「あばれうおポケモン」という分類が表す攻撃性を加えた名前だ。
すがた同士の対立は、単なる見た目の設定ではない。図鑑では、群れが混ざることもある一方で、縄張り争いが頻繁に起こり、湖の生態系を変えてしまうと説明されている。数の多い群れが現れた水域でも生き残れるのは、シザリガー やヘイガニだけだともいわれる。食用としての評判も、この設定に意図的な矛盾を加えている。他のポケモンにとっては危険な生き物でありながら、さまざまな地方で日常的に食べられている魚なのだ。