グソクムシャ徹底解説
殻と侍と深海性の甲殻類
デザインの出発点は、海底に棲む甲殻類であるダイオウグソクムシで、そこに侍の鎧の要素を組み合わせている。低いシルエット、重なったプレート、前脚のツメによって、海底を進みながら近距離で斬りつける姿を思わせる。英語名は「Goliath」と「isopod」を組み合わせたもので、日本語名のグソクムシャは、ダイオウグソクムシを指す言葉に、完全武装や武者に関係する語を重ねている。
アローラ地方の図鑑説明では、落ち着きのない生き物としてではなく、深い洞窟で瞑想する存在として描かれている。だが、勝機が見えると正確に動く。静けさと突然の攻撃の対比は、コソクムシとの違いも説明している。進化は単に大きくなるだけではなく、危険への向き合い方そのものを変えるのだ。
登場直後の一撃と強制的な離脱
バトルでは、であいがしらがグソクムシャの個性を1ターンに凝縮している。威力が高く、タイプ一致で使え、こうげき125も活かせるが、その後は多くの素早い相手に対してすぐに脅威を与えられなくなる。ききかいひによって、この一瞬への依存はさらに強まる。十分なダメージを受けると、交代したくない状況でも場から離れてしまうためだ。
実戦では、耐性のある攻撃に合わせて出すか、味方が倒れたあと、あるいは安全な交代を利用して場に出す。相手が弱っていれば、であいがしらで交換を有利に終わらせられる。交代を読めるなら、まきびしで着地時に負荷をかけ、むし技を受けたくない相手にはシェルブレードを当てる。きゅうけつは、相手が強く反撃できないときに体力を取り戻す手段になるが、すばやさ40のため、攻撃的な相手を前にすると回復技としては扱いにくい。
ガラル地方で変わったこと
グソクムシャは第七世代で登場し、『ポケットモンスター ソード・シールド』にも再登場した。コンセプトと特性は変わらなかったが、世代ごとに使える技の構成は整理された。ガラル地方ではわざレコードでとびかかるを習得でき、つるぎのまい、まきびし、インファイト、アイアンヘッド、じごくづきといった技も引き続き使えた。戦い方の土台は変わらない。物理的な圧力、登場直後の優先行動、そして相手に交代を迫る展開だ。
『ソード・シールド』のシングルバトルの分析では、物理アタッカーへの受け出し役や、攻撃的なサポート役として扱われる。じめん、かくとう、こおり、はがね、みずタイプの攻撃に対して場に出せる一方、設置技は、ききかいひが発動する前にHPを削るため特に問題になる。でんき、ひこう、いわタイプも、出せる場面を大きく制限する。
深海のライバルたちを前にして
海の生き物を思わせるほかのポケモンと比べると、グソクムシャはすばやさと特殊戦術を捨て、物理耐久と瞬間的な火力に集中している。試合中ずっと場に残ろうとはしない。安全に出て、弱った相手を作る、まきびしを1段階設置する、有利な交代を引き起こす。その瞬間こそが最も強い。
遅いチームに対しては耐久力とつるぎのまいを活かせるが、耐久力の高いみずタイプは攻撃を受け止め、であいがしらを耐えた相手は、グソクムシャが動く前に反撃してくることが多い。やけどやどく、不必要なHPの消耗も避けたい。交代を重ねてHPが半分に近づくほど、ききかいひが発動し、であいがしらをもう一度使う余地が減ってしまうからだ。図鑑説明で描かれるオトスパスとのライバル関係も、この考え方に合っている。どちらかが戦い続けられなくなったとき、勝負が終わる。