リククラゲ徹底解説
クラゲの名を持つキノコ
デザインの元になっているのはキノコで、具体的には木耳、つまり日本語できくらげと呼ばれるキノコだ。傘やヒダ、体として機能する無数の糸状組織が、そのモチーフをポケモンらしい視覚表現に落とし込んでいる。ドククラゲとの類似は血縁を示すものではなく、別の種が似たシルエットにたどり着いた例だ。
英語名は、キノコを表す英単語「toadstool」に、足の指に関係する「toed」と、Tentacruelの語尾を組み合わせている。日本語名のリククラゲは、「陸」を意味するrikuに、きくらげとドククラゲの名前を組み合わせたものだ。どちらの言語でも、触手を持つ生物を陸上性・菌類的な存在にしたという発想は共通している。
ドククラゲの陸上版
比較できるのは見た目だけではない。リククラゲとドククラゲは同じ種族値配分を持つが、タイプがまったく異なるため、場に出す場面は大きく変わる。前者はじめんとくさで攻め、でんきを無効にし、じめんといわを半減する。後者は、別の耐久特性と特殊方面の圧力を求めるチームに組み込みやすい。見た目の類似は、新しい種を登場させながら、リージョンフォームにはしないための仕掛けになっている。
進化前のノノクラゲにも、同じ収斂の発想が受け継がれている。最初の段階では低く単純な姿だが、進化すると傘の存在感が増し、触手がシルエットの主役になる。この系統が初登場したのは第9世代で、世代をまたいだ変更の前史はない。
きんしのちからに組み込まれた制約
通常のプレイでは、キノコのほうしが持たせる理由として最も大きい。きんしのちからによって、通常なら変化技を無効化する特性に守られた相手にも使える。ただし代償はすぐに現れ、対象の種類の技は優先度グループの最後に出る。そのため、素早いねむり役として扱うのは適切ではない。相手が先に攻撃できる状態なら、対象を眠らせる前に攻撃を受けてしまう。
実用的な組み合わせは、キノコのほうし、まきびし、ギガドレイン、だいちのちからだ。設置技で交代を咎め、ギガドレインでHPを維持し、だいちのちからでとくこう80を活かせる。パワーウィップを使う物理型もあるが、こうげき70のため安定感は落ちる。とくぼう120によって多くの特殊技を受けて場に出せる一方、ぼうぎょ65なので強力な物理技との正面衝突は避けたい。
苦手な部分
ほのお、ひこう、むしへの弱点が場に出せる場面を狭め、こおりには4倍のダメージを受ける。純粋な火力だけで相手に警戒を強いるほどの攻撃系能力もない。直接攻撃より補助性能に優れるが、きんしのちからによって、先に動きたい場面で100のすばやさを活かせない。
比較的要求の低い対戦フォーマットでは、設置技とキノコのほうしを使うポケモンとして居場所があり、Monotypeでも採用される。『ポケットモンスター スカーレット』と『ポケットモンスター バイオレット』の冒険では、くさとじめんの技にアクセスできるようになってからのほうが使いやすい。相手を消耗させ、ギガドレインで回復し、まきびしで相手の交代を活かせる。