パッチルドン徹底解説
逆向きに組み立てられた化石
パッチルドンは、有賀ヒトシがデザインしたガラル地方の化石ポケモンの一種。古生物学的なキメラを出発点にしたデザインで、上半身はドロマエオサウルス類、下半身は海生爬虫類を思わせる。プレシオサウルス、モササウルス、イクチオサウルスを連想させる特徴もある。科学的に誤った復元で知られる、クリスタル・パレスの恐竜像もデザインの元ネタになっている。
鼻水のついた鼻は、体に常に冷気がまとわりついているという設定ともつながる。ポケモン図鑑の説明では、そのイメージを使って電気を生む仕組みと不器用さの両方を説明している。震えて電気を発生させる一方、歩くのは苦手だ。
放電を表す名前
Arctozoltは「arctic」と「volt」または「jolt」に関係する語尾を組み合わせた名前。日本語名のパッチルドンは、ぱちぱちという火花の音を表す日本語の擬音、「chill」、そして先史時代の動物名によく使われる「-don」を組み合わせている。
この発想は、覚える技にも表れている。レベル1ででんきショックとこなゆきを覚え、レベル7でじゅうでん、レベル63ででんげきくちばしを覚える。いわタイプの化石ポケモンではなく、でんきとこおりの複合タイプが、凍った体と震えて生み出す電気をそのまま表している。
ガラルの実験からベンチへ
ゲームでの歴史は、第8世代のソード・シールドから始まる。次の世代では登場しないため、現在の使用先はNational Dexのように、現行作にいない種族を使える形式に限られる。この制限で活躍の場は狭まるが、機能させるために必要なものもはっきりする。あられ、安全な繰り出し、そして2つの攻撃タイプに弱い相手だ。
最もわかりやすい組み合わせは、ゆきかきとでんげきくちばし、ふぶき、またはフリーズドライ。でんげきくちばしは攻撃 100を活かし、後者2つは特攻 90を使って異なる相手に対応する。ふぶきは威力で勝り、フリーズドライはこおり技を受けに来るみずタイプのポケモンに圧力をかけられる。じならしを入れれば、はがね、いわ、でんきへの対抗手段も増える。
ありえない復元の一族
パッチラゴンは、鳥や恐竜を思わせる上半身と、水生生物のような下半身をパッチルドンと共有している。ただし、組み合わされた化石は同じではない。ウオチルドンは、体の前側に魚の頭がはまり込んだような、別方向の不自然な構造をしている。一方、ウオノラゴンも、化石同士をありえない形でつないだ姿だ。
この比較からは、弱点も見えてくる。パッチルドンは、特化型のアタッカー数体より攻撃と特攻のバランスがよいが、素早さ55のせいで攻撃前に天候を用意しなければならない。HP 90と防御 90は物理技を受ける助けになるものの、ほのお、かくとう、いわ、じめんには簡単に崩される。あられパーティでは、別のメンバーが天候を展開したあとに繰り出すか、相手の交代を誘って出す必要がある。その条件から外れると、図鑑がこの先史時代の種族に与えた評価と同じ弱点、つまり遅さがはっきり表れる。