ビッパ徹底解説
前歯の大きなビーバー
デザインの出発点は、ビーバー、あるいはビーバーに似たげっ歯類。大きな切歯、房状の尾、そして水とのつながりが、シンプルなシルエットの中にそのイメージを集約している。ビーバーの原始的な近縁種で、よく知られたビーバーのような幅広い尾を持たないヤマビーバーとの類似も指摘されている。
日本語名のビッパ――ビッパ――は、ビーバーを思わせる要素と、出っ歯に関係する日本語の「でっぱ」を組み合わせたもの。英語名のBidoofは、beaverと、どじな人や間の抜けた人を指すくだけた表現 doofus を組み合わせている。後半の要素が、ぼんやりした表情と、図鑑が強調する図太い神経や活発さとのギャップにつながっている。
冒険の序盤を担う種族
ビッパは第4世代で初登場し、序盤の道路に出てくる定番のげっ歯類の位置を占めていた。捕獲率255とレベル15での進化は、その役割をさらに明確にしている。早く出会えて、手間なく手持ちに加えられ、冒険が大きく進む前に姿を変える。切歯と水辺との結びつきによって、序盤のげっ歯類という役割を共有するコラッタとは差別化されている。
その後の世代でも複数の作品に登場し続け、登場範囲は『Pokémon LEGENDS アルセウス』まで広がった。第9世代のゲームには登場しない。第5世代より前は、ビッパとビーダルがてんねんを持てることが知られていた唯一の種族だったが、その後この特性を持つポケモンは増えていった。
たんじゅんと能力値の壁
たんじゅんとつるぎのまいの組み合わせは、攻撃性能を実用的な水準まで引き上げようとする場合の、もっとも明確な手段。問題は能力を上げる前にある。素早さ31、防御と特防40ではダメージを受けやすく、自由に動けるターンも少ない。攻撃を上げた後ならすてみタックルの火力を活かせるが、反動によって、もともと59しかないHPがさらに削られる。
てんねんは、能力を上げて戦う相手への対策になる。自分の耐久力を高めるわけでも、火力不足を解決するわけでもないが、相手の準備がそのまま致命的な敗北につながるのを防げる。ムラっけはさらに扱いにくい。大幅な上昇が助けになることもある一方、同時に下がる能力が、まさに維持したかった能力になる可能性もある。
冒険での使い方
通常のプレイでは、レベルアップで覚える技を活かしつつ、進化後の相手と長期戦をさせないのが基本。たいあたりは序盤の戦いをこなし、かみつくはあくタイプのダメージを加え、ねむるは戦闘が長引いたときの回復手段になる。先に進めば、かみくだくとつるぎのまいの組み合わせがよりまとまり、最大火力の一撃としてすてみタックルを加えられる。
レベル15で早く進化するため、進化させずに使い続ける意味があるのは、たんじゅんを明確に狙う場合か、進化を遅らせたい場合に限られる。その条件を満たしてビーダルになると、系統全体の役割は変わり、巣の近くで木の幹や岩をかじる小さな川辺のげっ歯類から離れていく。