トロッゴン徹底解説
生きた石炭を積んだトロッコ
デザインの出発点は、石炭を積んだ鉱山用のトロッコだ。頭部は積荷の前に収まり、4本の脚は車輪の形をしているため、体全体が自力で動く乗り物のように見える。黒い色は岩と石炭を表し、口と背中の積荷に見えるオレンジ色の輝きは体内の熱を表現している。
日本語名のトロッゴン(Toroggon)は、「鉱山用トロッコ」を意味するtorokkoと、「車両」を意味するwagonを組み合わせたもの。英語名のCarkolは、carやcartのイメージにcoal(石炭)を組み合わせている。どちらも、燃料で動く鉱山用輸送機械という中心的なコンセプトは共通している。
鉱物からエンジンへ
進化系列は、シンプルな石炭の車輪であるタンドンから始まり、トロッゴンで明確に専門化された姿になる。レベル18で進化すると炎タイプが加わり、車輪が4つになって炎を生み出せるようになる。その後、レベル34でセキタンザンに進化すると、トロッコの姿を離れ、人型の機関車に近いシルエットへ変化する。トロッゴンは、この一族が単なる鉱物から、動くエネルギー源を表す存在へ移行する段階にあたる。
この種族は第8世代のガラル地方を舞台にしたゲームで初登場した。ガラルでは、鉱山や工業、石炭が風景の一部になっている。第9世代ではレベルアップで覚える技が変更され、最後に覚える技はストーンエッジになった一方、第8世代ではもえつきるで終わっていた。それ以外のメカニズム面での個性は、炎、岩、そして場のコントロールを軸に保たれている。
車輪を活かす価値
通常の対戦では、試合中盤に力を発揮しやすい。半減できる攻撃を受けて場に出し、こうそくスピンで場の障害物を取り除いたり、ステルスロックをまいて相手に対応を迫ったりできる。防御90とHP80によって、ほどほどの物理攻撃なら受ける余地がある。ほのおのからだは接触技を使うアタッカーとの撃ち合いを有利にし、おにびなら相手が直接攻撃してこなくてもやけど状態をばらまける。
じょうききかんは、いくつかのターンの見方を完全に変える。相手が炎か水の技でダメージを与えようとすると、特性で素早さがぐぐーんと上がる。これで攻撃60や特攻60が高い数値になるわけではないが、先に動いてニトロチャージ、メテオビーム、ボディプレスを活かせる可能性は生まれる。戦術には正確な読みが必要だ。地面と水は非常に大きな脅威で、受ける技を読み違えると、そのまま倒されやすい。
狭い役割を持つ未進化ポケモン
対戦での役割は、未進化ポケモンの使用が認められるルールに結びついている。しんかのきせきを持たせれば、こうそくスピン、ステルスロック、まきびし、おにび、ヒートスタンプを組み合わせられる。その環境では、一部の特殊アタッカーを止めたり、炎にさらされたくない草や鋼タイプのポケモンに圧力をかけたりできる。炎を半減する相手にダメージを与えたいときは、ロックブラストやストーンエッジでも攻められる。
ただし、代償ははっきりしている。安定した回復手段がなく、素早さの種族値は50、2つの攻撃系種族値も控えめだ。地面と水には頻繁な交代を強いられ、格闘と岩によって安全に繰り出せるターンも大きく減る。デザインからは速そうな機関車を想像できるが、対戦ではサポートがなければ、その車輪は走り出す前に止まりかねない。