アブリー徹底解説
ハチに化けたハエ
デザインの元になっているのは、ハチに似た姿を取るハエ目の昆虫、ツリアブの仲間。アブリーについて具体的に指摘されているモデルは、Anastoechus nitidulus。丸みを帯びた体、小さな羽、黄色い体色によって、その特徴をポケモンらしい見た目に落とし込んでいるが、働きバチとしてデザインされているわけではない。食性と花との関わりが、コンセプトの中心になっている。
英語名は「cutie」と「fly」を組み合わせたもの。後半は「bee fly」にもつながるが、妖精やチョウを連想させる別のハエの名前とも結びつく。日本語名のアブリーは、ツリアブの要素に美しさや妖精のイメージを重ねた名前だ。小さく親しみやすいデザインの雰囲気を残しながら、昆虫としての土台も失っていない。
オーラを方位磁針にする感覚
ポケモンずかんの説明は、単に蜜を探しているだけとはしていない。オーラは感覚器官のように働き、開きかけた花を見つけ、生き物を見分け、攻撃を先読みする。物語上のバトルでは、この力によって攻撃をかわす動きが説明でき、世界観の中では、花に似たオーラを持つ人の周囲に集まる理由にもなっている。
縄張り意識のような一面もある。バタフリーとは蜜や花粉をめぐって争い、花粉に引き寄せられてヒメンカにも近づく。花との関係はフェアリータイプにつながり、昆虫らしい姿や群れで行動する性質はむしタイプ側の要素だ。もともと攻撃的な生き物ではないが、相手の意図を敵意と受け取れば反応する。
第七世代から低レベル帯のフォーマットへ
アブリーは第七世代で、進化先のアブリボンとともに登場した。初期のフォーマットから、すばやさの高さと、補助技と特殊技を両立できる点が評価されていた。ねばねばネット、ちょうのまい、サイコキネシス、フェアリータイプの技を使い分け、補助技の設置役、アタッカー、積み役のいずれにもなれた。
ソード・シールドでは、対戦面で特に重要な事情があった。過去作から連れてきた際に、はねやすめを覚えたままにできたのだ。回復技によってちょうのまいを使う型の場持ちがよくなり、その可能性もあって第八世代のリトルカップでは使用禁止になった。スカーレット・バイオレットでは現在の技構成にはねやすめが含まれておらず、リトルカップでも禁止が続いている。
冒険中の使い方
通常のプレイでは、攻撃を受けて耐えるポケモンではなく、すばやい特殊アタッカーとして使うとよい。序盤はようせいのかぜが役立ち、ドレインキッスを覚えれば回復もできる。マジカルシャインを使えるようになるとダメージが大きく伸び、むしのさざめきでむしタイプを補い、エナジーボールで主力技が通りにくい相手を攻撃できる。
相手がねむりに頼るなら、ダブルバトルではスイートベールに意味がある。りんぷんはシングルバトルのほうが安定し、攻撃に付随する能力低下や状態異常など、1ターンを台なしにしかねない追加効果を無効にできる。ちょうのまいは、一撃で倒されなくなったタイミングまで温存したい。
ほかの序盤のむしポケモンと比べると、フェアリータイプと84のすばやさが強み。ただし、HP40、ぼうぎょ40、とくぼう40なので、判断を1度誤るだけで大きな代償を払うことになる。レベル25でアブリボンに進化すると役割が変わり、それまでは先に攻撃して、反撃を受ける前に引く動きが向いている。