ニダンギル徹底解説
ひとつの意志に従う二本の剣
ニダンギルは、進化の途中で一本の魔法の剣が二本に増えるという、シンプルで輪郭のはっきりした発想から生まれている。二体の独立した生き物になるのではなく、テレパシーで連携する二枚の刃になる。図鑑の説明でもこの関係が繰り返し描かれており、剣は複雑な連携攻撃を繰り出し、きしむ音で威嚇し、攻撃と防御を交互に行って獲物を倒す。
デザインを手がけたのは有賀ヒトシ。シルエットは、鞘付きの剣に、付属器官のように機能するリボン、紋章に似た中央のパーツを組み合わせている。持ち主の魂と結びついた武器という伝統にも通じており、武士道のイメージに近い解釈もできる。鎧でも、人間の戦士を小さくしたものでもない。あくまで、意志を持つ二本の武器である。
斬る要素を組み合わせた名前
英語名のDoubladeは、doubleとbladeを組み合わせたもの。一種の中に二枚の刃があることを表している。日本語名のニダンギルは、「二つ」を表す要素に、刃で切る、断つ、倒すことに関係する語を組み合わせた名前になっている。英語名をそのまま使う翻訳では、剣が二本に増えたことが別のアレンジなしでも伝わる。
分類のとうけんポケモンも、刃物としての読みを強めている。ヒトツキからの進化によって、一本の刃、二本の刃、そして最後には盾を備え、戦い方を変える剣へと、見た目の変化もはっきり示される。
二本目の刃が加わると何が変わるか
ニダンギルはヒトツキやギルガルドとともに第6世代で登場した。後の世代でもコンセプト、タイプ、特性は変わらず、自分だけの別フォルムも持たない。『ソード・シールド』まで登場し、技構成には、物理型の役割に合ったはがね、ゴースト、かくとう、あくの技がそろっている。
過去世代のシングルバトルでは、進化の輝石と高い物理防御を活かせるルールで存在感を示した。ぼうぎょ150、こうげき110、はがね・ゴーストタイプの組み合わせによって、多くの物理アタッカーを受けながら、つるぎのまいで圧力をかけられた。メタゲームの変化や、とくしゅ技・はたきおとすの増加によって後出しの安定性は下がったが、採用される理由そのものは変わっていない。
ターンを無駄にせず使うには
ニダンギルは、すばやいアタッカーではなく、圧力もかけられる物理受けとして使うのが向いている。受け止められる攻撃に合わせて繰り出し、とくしゅ技の強打にはさらさないようにしたい。とくぼう49しかないため、相手の技が弱点でなくても余裕はほとんどない。
攻撃的な構成では、つるぎのまいにかげうちと接触技を組み合わせる。アイアンヘッドは安定したはがねタイプ一致技で、せいなるつるぎは防御を上げようとする相手を罰し、あくタイプにも有効。ジャイロボールも35のすばやさと相性がいいが、バトルのテンポを正確に読む必要がある。
ノーガードが立ち回りの軸になることはほとんどない。主力技を強化せず、相手の不安定な技まで必ず命中させてしまうからだ。そのため、特性を軸にした組み合わせを探すより、持ち物の選択と繰り出すタイミングのほうが重要になる。進化の輝石を失うと、HPととくぼうでは守備役を同じように支えられなくなる。