フワライド徹底解説
風に流される飛行船
デザインの元になっているのは、熱気球と軟式飛行船だ。丸みを帯びた輪郭、頭の白い雲、係留索のように見える腕が浮遊する航空機を思わせる一方、ゴーストタイプが不気味な解釈を加えている。空を漂うクラゲや、夜空に見える発光現象、制御を失って浮かぶ霊の話と結びつけて考えられることもある。
英語名は、漂流を意味する「drift」と飛行船の「blimp」を組み合わせたもの。日本語名のフワライドは、ふわふわ浮かぶイメージに「ride」を組み合わせた名前で、相手を考えなしに追っていくことにもつながる言葉遊びを含んでいる。この読み方は、行き先のわからない場所へ群れ全体で移動するという図鑑の説明にも合う。
迷子の風船から幽霊飛行船へ
フワライドは第4世代で、フワンテの進化形として初登場した。進化してもタイプは変わらないが、コンセプトは強調されている。フワンテが小さくて危うい風船に見えるのに対し、フワライドは乗客を運べるほどの航空機の大きさになる。見た目はほとんど子ども向けなのに、図鑑では失踪やあの世を語るという対比も、この系統を通して保たれている。
世代が変わっても別の姿は与えられず、その個性は一貫している。技構成は少しずつ変化してきた。『スカーレット・バイオレット』では、シャドーボール、ゴーストダイブ、エアスラッシュ、アクロバットに加え、おいかぜ、バトンタッチ、おにび、トリック、トリックルームといった補助技を組み合わせられる。じばくやだいばくはつも覚え、内部のものを失って制御が利かなくなる風船というテーマに合っている。
HPは多いが、外殻は薄い
Gengarと比べると、フワライドは瞬間的なダメージを同じように狙うポケモンではない。HPは大幅に高いが、防御面は低く、特攻だけで準備の整った相手を押し切れるわけでもない。ノーマル、かくとう、じめん技を受けて出し、相手の対応を誘って、そのターンにやけどを狙ったり、能力上昇を引き継いだり、素早さを上げる準備をしたりするのが強みだ。
フワンテとの比較でも役割が見えてくる。進化前はより打たれ弱く、冒険の序盤向けだが、フワライドなら長い旅のあいだサポート役を務められる。低レベルのシングルバトルでは、豊富なHPを活かし、いたみわけ、まもる、状態異常でターンを引き延ばせる。ダブルバトルでは、おいかぜとバトンタッチの価値がさらに高く、味方を直接サポートできる。
相手にただで倒されないために
持ち物によって採用する型が決まる。かるわざなら、消えるか消費される道具を持たせ、素早い相手がすでに削れたタイミングでフワライドを出したい。早く出しすぎると、ステルスロック、はたきおとす、弱点を突く攻撃で、特性を発動する前に倒されることがある。ねつぼうそうの場合は、やけどで特殊技の威力が上がる一方、定数ダメージによって、HPの多さから受ける印象ほど余裕がなくなる。
おにびは物理アタッカーに有効で、シャドーボールはゴーストタイプを活かせる。おいかぜはチーム全体を支え、めいそうとアシストパワーは数ターンの余裕が必要な、より強気のプランになる。トリックルームなら素早さの考え方を逆転できるが、かるわざとは噛み合いにくい。どの型でも、あく、でんき、こおり、いわタイプには繰り出すタイミングを慎重に選ばなければならない。ふうせんを持たせれば弱点そのものは消えないが、道具がなくなるまではじめん技から守れる。