ニャスパー徹底解説
耳を閉じたネコ
デザインの出発点は子ネコで、折れた耳とコンパクトなシルエットから、スコティッシュフォールドを特に強く連想させる。直立した姿勢とじっとした視線は、好奇心ではなく抑制を表している。この生き物が動かずに見えるのは、念力を閉じ込めておくことに全神経を使っているからだ。猫又が持つ民間伝承とのつながりも重要で、長い寿命と超自然的な力を持つネコというイメージが、ニャオニクスへの進化にうまくつながっている。
英語名は「ESP」「esper」と、ネコがゴロゴロとのどを鳴らす音を組み合わせている。日本語のニャスパー(Nyasper)は、ネコの鳴き声の擬音語であるニャーをもとにし、そこへ再び「esper」を加えている。どちらの言語でも、名前はネコらしさと超感覚的知覚を結びつけているが、見た目を直接説明するものではない。
進化で意味合いが変わる
進化前の系統では、ニャスパーは幼体にあたる。高さ0,3 m、体重3,5 kgという小ささは、100メートル先まで物体を投げたり、プロの格闘家を吹き飛ばしたりする力と対照的だ。一見か弱い子どもには不釣り合いな行動である。ニャオニクスへの進化は、その緊張が解放される過程として機能している。ニャスパーが力を抑え込むのに対し、ニャオニクスはより明確な個性を外へ示す。
この種族は第6世代で初登場し、現在は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で使用できるポケモンの一員になっている。初登場時の作品から現行作までに、レベルアップで覚える技の順番とテンポは変化した。初期の作品では、ねこだましとチャームボイスをかなり遅いレベルで覚えていたが、現行の技構成ではそれらを前倒しで覚え、同じレベルで2種類の壁も習得する。また、相手の物理防御を参照しつつ特殊ダメージを与えられる、目立った技のサイコショックも残っている。
進化前にできること
通常プレイでは、特攻63と素早さ68のおかげで、冒険のかなりの期間を実用的な特殊アタッカーとして進められる。序盤はねんりきとサイケこうせんで対応し、その後はサイコショックとサイコキネシスでエスパータイプのダメージを伸ばせる。10まんボルトとシャドーボールはエスパータイプに耐性を持つ相手への対策になり、ひかりのかべとリフレクターは長期戦で味方を守るのに役立つ。
すりぬけは、相手がみがわりや壁に頼る場合に明確な使い道がある。ダメージを増やしたり、耐久の低さを補ったりはしないが、それらの障壁によって攻撃の威力が落ちるのを防げる。するどいめとマイペースはより状況依存で、前者は命中率を守り、後者は混乱を無効化する。冒険では、出てくる相手の種類に合わせて特性を選べば十分だが、壁を使うトレーナーとの戦闘では、すりぬけが直接的に役立つ。
他のエスパータイプとの比較で空く枠
リトルカップでは、アブラより特殊アタッカーとして後れを取る。素早さと特攻が低く、物理攻撃を受けるのも苦手だからだ。強みは技範囲にあり、10まんボルト、シャドーボール、あくのはどう、エナジーボール、じゃれつくに加えて、トリック、わるだくみ、トリックルームといった補助技も使える。対戦に合わせて技構成を変えられるが、耐久面の問題まで解決するわけではない。
自分自身の進化形と比べると、その差はさらに明確になる。ニャスパーを進化させずに使う意味があるのは、早い段階から使えることやデザイン、あるいはチームに具体的な制限を設けている場合くらいだ。それ以外では、レベル25まで上げてニャオニクスに進化させるほうがよい。同じ発想の次の段階として、ニャオニクスは自分の力と戦っているようには見えない、より完成された念力使いのネコになっている。