ユキメノコ徹底解説
雪女
デザインのもとになっているのは、雪や吹雪、山での死と結びついた日本の民間伝承の女性の怪異、雪女だ。シルエットは着物を着た女性を思わせ、赤い結び目は帯のように見える。腕は体から離れており、浮かぶ袖のようになっている。白い頭蓋骨や氷の結晶、空洞の体が、怪異としての性質を強めている。神話を穏やかに解釈した姿ではない。図鑑には、犠牲者を凍らせてねぐらに飾る姿が描かれている。
日本語名はユキメノコ。「ユキ」は雪を指し、「メノコ」は少女を指す言葉で、雪女という呼び名とのつながりもはっきりしている。英語名は霜や氷を意味する「frost」と、少女を意味する「lass」を組み合わせたものだ。どちらの名前も、冷気から生まれた女性の姿という同じ発想を示している。
2つの運命に分かれる進化
ユキメノコは第4世代で、メスのユキワラシから進化する別ルートとして登場した。もう一方のルートではレベル42でオニゴーリになり、めざめいしを使うとこの種になる。この違いは見た目だけではない。オニゴーリは丸みのある形と物質的な存在感を保つのに対し、ユキメノコはその厚みを捨て、こおり・ゴーストタイプの幽霊のような姿になる。
この分岐によって、ユキワラシは見た目以上に幅のあるチーム選びを迫るポケモンになっている。防御的で体格のいいポケモンを求めるならオニゴーリのルートを選ぶ。素早さ、無効化、補助技を重視するならユキメノコを選ぶことになる。『スカーレット・バイオレット』でもこの専門的な進化先としての役割は変わらず、こおり、ゴースト、エスパータイプの技を幅広く覚えられる。
もろい先鋒
素早さ110が、運用のすべてを決める数値だ。特攻80のおかげで攻撃もできるが、純粋なアタッカーとして使う理由にはならない。もっとも実用的なのは、初手でまきびしをまくか、ちょうはつで相手の動きを止めることだ。流れが悪くなったら、倒した相手をみちづれにするぞと圧力をかけられる。
まきびし、ちょうはつ、みちづれの3つが、ふぶきやシャドーボールよりもこのポケモンの個性をよく表している。削りダメージで味方がとどめを刺しやすくなり、ノーマルと かくとうを無効にできるため、繰り出せる場面もある。ただし、いわ、ほのお、ゴースト、あく、はがねの攻撃を受ける場に残してはいけない。HP70と防御・特防70では、判断を誤るとすぐに倒される。
ゆきがくれは、チームがあられや雪を維持する場合に意味を持つ。その条件では回避率が上がるからだ。のろわれボディは、攻撃してきた技を使えなくする可能性がある、より不確実な防御手段だが、実際の耐性の代わりにはならない。野生で持っている可能性のあるリリバのみを考慮しても、その立ち位置は長時間殴り合える戦士ではなく、素早く動くサポート役のままだ。
飾り、魂、吹雪
図鑑では、具体的な光景が何度も描かれている。吹雪のあとに現れ、人里の戸を叩き、気に入った相手を連れ去るというものだ。ねぐらは避難場所ではなく、凍らせた人影を集めたコレクションになっている。冷たい息、美しい男性への執着、男性の魂を好む性質によって、雪女が持つ捕食者としての側面がゲームに取り入れられている。
軽やかな外見と、その手段の荒々しさとの対比も意図されている。完全な体を見せずに浮かんでいる一方、覚える技にはおにび、かみくだく、ポルターガイスト、ふぶきがある。第一印象ではもろそうに見えるが、うまく繰り出せば、素早さと罠、計算された退場によって対戦の初手を左右できる種族だ。