ヌメラ徹底解説
ドラゴンの体を持つナメクジ
デザインの出発点は、ナメクジやウミウシを中心とした軟体動物だ。四肢が目立たないこと、湿った表面、感覚器官としてのツノから、軟体動物とのつながりが見て取れる。ヌメルゴンへの進化では、最初は爬虫類というより粘液の塊に近く見える生き物に、ドラゴンらしい解釈が加わる。また、印象的な姿をした海のナメクジである「青いドラゴン」と結び付けられることもある。
英語名は粘液を意味する「goo」に由来し、ゴムのようなもの、あるいは粘つくものを思わせる。日本語名のヌメラは「ぬめる」や、ぬめりを連想させる「ぬらぬら」に由来する。どちらの名前も外見上の特徴に頼らず、同じイメージを表している。ヌメラは全身が粘液に覆われているため、つかまえにくい。
湿気を生存の仕組みにする
図鑑の説明では、ぬめりは単なる防御手段として扱われていない。粘膜は組織を守る一方で病原菌もため込むため、触ったあとは手を洗う必要がある。体の大部分が水でできているので、乾燥はちょっとした不調ではない。呼吸できなくなり、命に関わる。だからこそ、日陰で動かずに過ごし、ツノを使って身をさらさずに周囲を探る。
特性のぬめぬめは、このイメージをバトルに落とし込んでいる。接触技は物理的な壁を通り抜けられないわけではないが、攻撃した側のすばやさを下げる。後の世代ではヌメラの系統だけが持つ特性ではなくなったものの、生態を最もよく表している選択肢ではある。
世代ごとの変化
ヌメラは第六世代で登場し、レベル技の構成は現在より短く、技の配分も異なっていた。その後のゲームではレベル技が整理され、地域によって別の手段にもアクセスできるようになった。ヒスイでは、進化後がはがねタイプを持つ姿になり、鉄分の豊富な水域と直接結び付く。一方、ヌメラ自身のコンセプトは変わっていない。
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』でも、だくりゅうまで続くレベル技に加え、りゅうのはどう、りゅうせいぐん、複数の補完技を覚える。タマゴ技はカウンターといのちのしずくに絞られているため、現在の育成では、幅広い技構成を準備するよりも、この2つの役割を意識する形になる。
冒険中に活かす方法
進化前は、物理受けではなく、補助寄りの特殊アタッカーとして扱うとよい。りゅうのはどうは安定したダメージ源になり、みずのはどうとだくりゅうはドラゴン技を受けにくい相手をカバーする。あまごいはうるおいボディを発動させ、みず技も強化できる。まもるでターンを稼ぐことはできるが、HP45とぼうぎょ35をそれだけで補うことはできない。
そうしょくはくさタイプの相手に対して実用性が高く、その技を無効化して後出しできる。一方、ぬめぬめは接触技に頼る物理アタッカーを削ぐ。フェアリー、こおり、物理アタッカーを相手にするときは早めに交代したい。進化の系統はヌメイル、ヌメルゴンまで進めることで報われる。大きく伸びるのは進化によるパワーであり、ヌメラのまま長期戦を組み立てることではない。