タギングル徹底解説
毒のペイントとアイアイの手
デザインの中心にあるのは、耳が大きく、目が目立ち、木の中から虫を取り出すために中央の指が長く伸びているアイアイだ。タギングルはその特徴を武器に変え、指を毒の唾液で覆って絵を描く。毒を持つ数少ない霊長類の一種であるスローロリスの特徴も取り入れられており、灰色、黒、白の配色はほかのキツネザル類も思わせる。
ペイントは、ただの飾りではない。ポケットモンスター スカーレットとポケットモンスター バイオレットの図鑑説明では、縄張りを示す模様、色が変化する唾液、そして各個体が一生繰り返し描く固有のサインが語られている。動物の習性に、グラフィティやタグ文化が組み合わされた場面だ。英語名は「graffiti」と「aye-aye」を組み合わせたもの。日本語名のタギングルは「tagging」をもとに、サルを思わせる要素を加えた名前で、「jungle」を連想させる響きも含んでいる。
体格の変化がはっきりした進化系統
タギングルは第九世代で登場し、過去の世代には存在しない。*シルシュルー*からの進化では、どく・ノーマルの組み合わせを保ったまま、見た目と役割の重点が変わる。シルシュルーは小さくすばしこい段階を表し、タギングルは直立した姿勢と長い腕を手に入れ、自分でペイントを用意する縄張り性の動物になる。
この系統は、習性の流れとして見るとわかりやすい。初期段階では物質を集めて扱い、最終段階では縄張りを示して守る。ノーマルタイプはゴーストへの無効をもたらし、どくタイプは唾液や牙、接触技を説明している。この考え方を変える別のフォルムは存在しない。
有利なターンを作る方法
最も直接的な構成では、いたずらごころでちょうはつ、みがわり、アンコールを相手より先に使う。ちょうはつはステルスロック、回復技、変化技を止め、アンコールは効果の薄い技を繰り返す相手を罰する。みがわりなら、覚悟を決める前に相手の反応を確認できる。交代を強制したあとにとんぼがえりを使えば主導権を保て、はたきおとすで何度も場に出ようとするポケモンの道具を失わせられる。
どくしゅを使うと、方針が変わる。優先度の高い変化技に頼るのではなく、接触技で攻撃し、はたきおとすで道具を奪いながらどく状態を蓄積していく。この型は受け寄りのチームに圧力をかけられるが、どく状態にならないポケモンや、攻撃を受け止められる相手には価値が下がる。かるわざは、使い捨ての道具や、道具が消える状況と相性がよい。すばやさが上がったあとなら、相手が弱っている終盤に一掃役として動くこともできる。
つるぎのまいは、より大胆な選択肢になる。隙を見つけてこうげきを上げれば、はたきおとす、どくづき、ダストシュートが実際の脅威になる。ただし、防御面が低いため、多くのアタッカーの前に正面から出すのは難しく、HPもその脆さを補えない。相手を1体倒したあと、交代を強制したあと、または相手が補助技を使ったあとに場へ出す必要がある。
似た相手から見える限界
ゴーストへの無効を持つため、相手の攻撃を受けて場に出す対象としては、*ゲンガー*や*ミミッキュ*を思わせる部分がある。ただし、タギングルにはその火力も全抜き性能もない。フェアリータイプのポケモンには耐性を活かせるが、等倍の攻撃を何度も受ける余裕はない。*デカヌチャン*などのあくタイプを持つポケモンがいるチームでは、いたずらごころの有用性が一部失われる。じめんやエスパーの相手には、相手がすでに行動を制限されていないかぎり交代したい。
そのため、タギングルは壁や主力アタッカーではなく、試合の流れを作る駒として使うのが向いている。通常の対戦では、序盤に相手の準備を止めて道具を奪うか、終盤に高いすばやさで一掃する場面で力を発揮する。木に描くサインと、バトルでの役割には共通する考え方がある。場に出て、痕跡を残し、必要以上には居座らない。