ボチ徹底解説
背中に載せたろうそく
ボチは、長い毛の犬と墓から出てくる死体のイメージを組み合わせている。頭のろうそくは小さな葬儀用の明かりとして機能し、誰かが近づくのを待って埋まったままでいる理由にもつながる。その姿は、人を追いかけたり精気を奪ったりする、半島の幽霊犬伝説にもよく合っている。
英語名は墓地を意味する要素と、ろうそく作りの歴史で生じ、犬の餌にも使われた残りかすを意味する「greaves」を組み合わせたもの。語尾の部分は、長い毛を持つ犬種のブリアードも思わせる。日本語名のボチは2文字のカタカナで書かれ、「墓地」と、犬によくある名前の「ポチ」、そして寂しさを結びつけている。
すり減らしていく愛情
図鑑の説明には、意図的な矛盾がある。仲間を求め、少しかまってくれた相手のあとをいつまでもついていき、遊び好きな犬のように振る舞う。それと同時に、傷つけるつもりはないまま、触れ合いによって生命力を吸い取ってしまう。その組み合わせによって、ろうそくは安心感と脅威を同時に感じさせる。
進化系統でもコンセプトは保たれているが、ハカドッグは小さく毛むくじゃらな輪郭を、埋葬された犬に近い姿へ置き換えている。ボチは、まだ誰かの主人を探している段階の霊を表し、その進化後はすでに自分の葬送的な性質を受け入れたように見える。
変わったもの、変わらないもの
ボチは第九世代の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で登場した。過去の世代には登場していないため、昔の作品とのあいだで種族値や特性、技が変更された経歴はない。最初から物理攻撃を軸にした覚え方で、たいあたり、かみつく、ずつき、かみくだく、ゴーストダイブがわかりやすい段階になっている。
このポケモンは、タイプを変えずに進化系統内で役割を分担する例にもなっている。ボチは、ものひろいで探索をこなし、もふもふを防御面の選択肢にできる導入段階。進化後は、系統の物語面と攻撃面を担う。
ストーリー中の使い方
通常プレイでは、壁役にしようとするより、ゴーストタイプの無効を活かすほうがよい。ノーマル技やかくとう技を受けて出し、あやしいひかりで相手を妨害し、その後にかみつく、あなをほる、ゴーストダイブで攻める。接触する物理技を使う相手には、もふもふで受けるダメージを減らせるが、ほのお技なら大きなダメージを受ける。
とくこう30なので、特殊型は選択肢にならない。ねむるといたみわけで回復したりHPを分け合ったりできるものの、すばやさ34では攻撃を受ける前に動くのが難しい。てだすけは、味方の火力を高めつつ相手に無効耐性を意識させられるため、ダブルバトルで使うほうが意味がある。
進化系統を完成させるなら、レベル30まで上げて夜を待ち、ハカドッグを手に入れるのがもっとも手軽だ。それまでは、ボチは補助役を兼ねた物理アタッカーとして機能するが、長期戦の主力には向いていない。