ヒードラン徹底解説
火口から生まれた金属
名前のHeatranは、英語、日本語、スペイン語で変わらない。英語名の「heat」は熱を示しており、日本語名のヒードランも同じ発想に結びつき、「ドラゴン」への言及を含んでいる可能性がある。デザインには、火山のマグマと、地球内部の金属という2つの要素がはっきり表れている。金属は、変形するほどの圧力にさらされている。十字形の四肢もこの解釈を強めている。普通の動物の脚というより、掘り進みながら傾斜した地面にしがみつくための道具に見える。
ポケモン図鑑での行動も、伝統的なドラゴンとしての描写を避けている。火口や洞窟に暮らし、天井や壁をよじ登り、体内には煮えたぎる血が流れている。プレートに閉じ込められた溶岩の塊のようにも見えるが、輪郭はヘビや翼のある爬虫類より、鎧をまとった哺乳類に近い。
ほのおを利用するはがね
ほのお・はがねの組み合わせが、これほど多くのメタゲームの変化を乗り越えてきた理由だ。はがねタイプのポケモンには、ほのおタイプの一致技であるねっぷうを使え、ねっぷうを受ける余裕のない多くのはがねタイプを脅かせる。もう一方のタイプから攻撃したいときは、アイアンヘッドやラスターカノンも使えるが、特攻130を考えると特殊技を選ぶほうが望ましい。
もらいびは、ほのお技に対する積極的な後出しに報いる。相手がその交代を読んで、じめん、みず、かくとう技で返してくると、ヒードランは無防備になる。ウルガモスはこの緊張関係をよく表している。ヒードランは特性によってウルガモスのほのお技を止められるが、じめん技を持っていると対面の形勢が変わる。ジバコイルもはがねタイプを狙う点では共通しているが、ヒードランはほのおの圧力と、異なる種類の守備力を持ち込める。
シンオウから続く定番
第四世代で登場して以来、ヒードランの対戦での価値は、単独の能力値よりも、タイプ、特性、補助技の組み合わせに左右されてきた。初期の対戦環境でも、特殊アタッカー、ステルスロックをまくポケモン、削り技を使うポケモンとして動けた。時間が経つにつれて、相手はじめん、みず、かくとうへの対策を用意するようになったが、それらの対策だけで交代を強いる力まで消えるわけではない。
フェアリータイプの登場によって、はがねタイプで抑えられる相手に対する守備面での価値はさらに高まった。Zワザが使えた世代では、読み合いの1ターンを撃破につなげる手段も得ており、その後の環境でもステルスロックをまき、特殊技で圧力をかける役割を保っている。メガシンカ形態の存在によって、シリーズ全体でのヒードランの存在感は広がっているが、基本となる種の個性を置き換えるものではない。
入って、殴って、引く
通常の対戦では、相手がほのお、くさ、こおり、はがね技で交代してきたときにヒードランを出すといい。ただし、だいちのちから、じしん、またはそれに相当するサブウェポンの気配がないことが前提だ。場に出たあと、相手が交代するならステルスロックを活かせる。相手が居座るなら、ねっぷうで安定したダメージを与え、やけどにできる可能性もある。だいちのちからは、ほのおタイプやはがねタイプのただ乗りを許さず、まもるは相手の技を見てから次の読み合いに入るために使える。
素早いアタッカーとして扱ってはいけない。素早さ77なので、守られた状況、交代を強いたあと、または味方が相手の対策役を削ったあとに使うのが基本になる。じめん、みず、かくとう技を複数持つチームに対しては、1度場に出てダメージを与えるかステルスロックを置き、そのまま引くのが仕事だ。支えなしに居座り続ければ、最後には消耗する。マグマの血は熱への耐性を説明してくれるが、地面から飛んでくる攻撃まで無効にしてくれるわけではない。