ガオガエン徹底解説
リングに上がるトラ
デザインの軸は擬人化されたトラで、プロレスの要素が加えられている。直立した姿勢、レスラーのシャツのような胴体、炎のベルトが、戦う者としてのシルエットを作っている。あくタイプなのは、単純な悪役の生き物だからではなく、観客を挑発するために悪役を演じるヒールという概念からきている。図鑑の説明もこの解釈を補強している。乱暴に振る舞い、強い相手との戦いを望む一方で、小さなポケモンを助けるときには優しい一面を見せる。
英語名は「incinerate」と「roar」を組み合わせたもので、見た目や技にある2つの要素を表している。日本語名のガオガエンは、ほえる声の響きと炎を思わせる要素を組み合わせた名前だ。開発時の名前にもトラに関係する要素があったため、動物としての基盤は初期段階からはっきりしていた。
ニャビーから戦う者の姿へ
ニャビーからガオガエンへの進化は、体の大きさが変わるだけではない。最初のパートナーは家猫から、強烈なキャラクター性を持つ二足歩行のネコ科ポケモンへ変わる。ニャヒートは四足歩行の捕食者に近い姿を残しているが、最終形ではその方向性を離れ、プロレスのショーに重点を置いている。この大きな方向転換は、もっと自然なネコ科ポケモンの進化を期待していた人から反発を受けた一方で、分類、あくタイプ、モーションがここまで正確にかみ合う理由にもなっている。
第七世代で登場し、通常特性はもうかだった。その後、ウルトラサン・ウルトラムーンの時期に隠れ特性としていかくを得て、技教え人からはたきおとすを覚えられるようになった。これらの変化によって役割は変わり、強引に大ダメージを与えるだけでなく、登場時の utility、持ち物の除去、安全な交代の補助を担うようになった。後の作品でもこの個性を保ち、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にも登場する。
遅さを活かすには
すばやさ60は、存在しないことにしても解決しない。相手のあとに出ることを前提に、いかくでこうげきを下げ、強力な技で反撃するか、とんぼがえりで引くのが基本になる。まもるを使えば、相手が攻撃するのか、交代するのか、能力を上げるのかを見極められる。ダブルバトルでは、相手のこうげきを下げながら、フレアドライブ、はたきおとす、インファイトで圧力をかけ続けられる。
じめん、みず、かくとう、いわの技を何度も受ける役には向かない。ダメージの蓄積も苦手だ。ぼうぎょ90、HP95とはいえ、消耗を無視できる回復手段はない。いかくは物理アタッカー相手にもっとも使いやすく、みずやじめんの特殊アタッカーには早めの交代を迫られる。
へその下で燃える炎
腰の炎は、闘争心がそのまま形になったものだ。図鑑の説明では、闘争心が強いほど炎が激しく燃え、温度は2000 °Cを超えるとされている。この炎は技のレパートリーにも表れており、レベル25でほのおのキバ、レベル44でかえんほうしゃ、レベル58でフレアドライブを覚える。
乱暴さと面倒見のよさの矛盾は、コンセプトの中で何度も描かれている。トレーナーを無視し、ルールのない戦いを求め、弱い相手には退屈する一方で、小さなポケモンを守ることもある。悪役を演じるレスラーのように、その荒々しさは性格の一部であると同時に、演技の一部でもある。