テツノブジン徹底解説
2人の剣士から生まれたシルエット
テツノブジンのデザインは、サーナイトとエルレイドをはっきり融合させたものになっている。前者のドレスのような形と、後者の腕の刃を残しつつ、武器の存在感や戦士らしい外見など、それぞれのメガシンカ形態を思わせる要素も加えている。刃は腕に沿わせたままにもできるし、つなげて両刃のハルバードのような武器にもできる。胸の核は機械的な印象を強め、近接戦闘とは異なる役割を与えている。
パラディンへの言及は、スペイン語名にも表れている。「ferro」は鉄を意味し、「paladín」は戦士を表す。英語名のIron Valiantも同じ構造を保っている。日本語のテツノブジンは「鉄の武人」と解釈でき、テツノは鉄に、ブジンは武人に結びつく。
バイオレットブックから来た名前
『ポケットモンスター バイオレット』では、テツノブジンという名前は、確立した科学分類から生まれたものではない。未来のパラドックスポケモンの多くと同じく、バイオレットブックに記された物体に由来している。その起源についても単一の説明には収まらない。フトゥー博士のAIはサーナイトとエルレイドの子孫として示す一方、別の解釈では、異なる時間軸における両種の相当種だと考えられている。
この矛盾自体がコンセプトの一部になっている。人工物のような外見をしているが、既知のポケモンとの関係はあくまで仮説のままだ。テツノブジンの姿は、これらのデザインをもとに作られた機械なのか、それとも別の未来でそこへ進化した生物なのかという疑問を残している。
過去をプレイできないパラドックス
テツノブジンは第9世代の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で初登場した。前段階や記録された過去の姿はなく、過去世代での登場もないため、能力値や特性、技の変化を比較することもできない。ゲーム内での物語は、エリアゼロのポケモンとして直接始まる。
エルレイドと比べると、フェアリータイプと大幅に高い素早さを得ている一方、特殊耐久の安定性を失っている。サーナイトと比べると、特殊寄りの性質の一部を本格的な物理の脅威に置き換え、つるぎのまい、インファイト、はたきおとすを使えるようになった。この組み合わせにより、進化に頼らず、種を変えずに役割を切り替えられる。
2つの顔を使い分ける
対戦では、チームが物理、特殊、両刀のどのアタッカーを必要としているのかを早めに決めたい。攻撃130と特攻120があるため、最初の技を見せるまで配分を隠しやすく、素早さ116によって多くの攻撃的な相手より先に動ける。クォークチャージは、エレキフィールドを用意するチームや、ブーストエナジーを使うタイミングを見極めるチームでこそ力を発揮する。
つるぎのまいは、相手の受け先がすでに弱っている状況で全抜きを狙うプランに合う。特殊型ならムーンフォース、サイコキネシス、はどうだんを軸にでき、物理型ならインファイト、はたきおとす、サイコカッターを活かせる。ワイドガードによってダブルバトルで一時的な役割を持たせられ、みちづれはすぐに倒そうとする相手へのけん制になる。
ただし、HPと特防は攻撃性能に見合っていない。特殊技を受ける場に気軽に出したり、ダメージを受けたあとに先制技へさらしたりしてはいけない。ひこう、どく、はがね、エスパー、フェアリーへの弱点があるため、繰り出すタイミングは慎重に選ぶ必要がある。体力を保ったままクォークチャージを発動できれば、2つの攻撃性能によって、相手は複数の脅威への対処を迫られる。