サーナイト徹底解説
フランス語で書かれた騎士
日本語名はサーナイト。sirとknight、つまり騎士を組み合わせた名前だ。海外名のGardevoirも言語が変わっただけで発想は同じ。フランス語のgarde(守護)、devoir(義務)、voir(見る)から作られている。この3つは図鑑説明にも現れ、誰かを守ること、トレーナーに対する義務、未来を読むことにつながっている。デザインの出発点は、誰かを守ることに身を捧げた騎士。そう読めば、ロングドレスも胸のプレートも衣装ではなく鎧に見えてくる。
フェアリーの継ぎ足し
3世代のあいだはエスパー単タイプで、むし、ゴースト、あくから弱点を突かれていた。そのうち最後のタイプが致命的だった。相手のチームには、あくタイプがほぼ必ずいたからだ。第6世代でフェアリータイプが追加され、相性は一変する。むしとあくは等倍になり、ドラゴンへの無効がつき、かくとうへの耐性は4分の1まで強化された。その代わり、どくとはがねという新しい弱点が増え、ゴーストはそのまま残った。タイプ追加と同時に、サーナイトらしい技も最初から用意された。進化時に覚えるマジカルシャインと、ムーンフォースだ。
同じ世代ではメガシンカも手に入れた。サーナイトナイトを持たせると、特性はフェアリースキンになる。ノーマルタイプの技をすべてフェアリータイプに変える特性だ。これで技マシンの候補が一気に書き換わる。ハイパーボイスは威力90のノーマル技ではなく、タイプ一致ボーナスまで受けるフェアリー技になる。サーナイトの系列で、はかいこうせんとスピードスターが冗談でなくなるのは、この場合だけだ。
めざめいしが開いた分岐
第4世代でエルレイドが加わり、同じポケモンを2通りに読む進化系列になった。キルリアはこうげき65、とくこう65。片方へ進めば特殊方面が125まで伸び、もう片方へ進めば物理攻撃と、かくとうタイプが加わる。メスのキルリアにはこの選択肢がなく、行き先はひとつだけだ。
普通のプレイでは、序盤からレベル技の配分が使いやすい。レベル9のさいみんじゅつとレベル12のドレインキッスを組み合わせれば、道具を使わずに序盤のかなりの部分を切り抜けられる。レベル18のサイケこうせんが、最初にまともな威力を持つ攻撃技だ。そこから先は長い空白がある。レベル23のいのちのしずくとレベル28のねがいごとは回復技で、攻撃にはならない。レベル35のめいそう、レベル42のサイコキネシスまで来て、ようやく本来の位置に収まる。レベル56のゆめくいは眠っている相手にしか使えないため、レベル9のさいみんじゅつと組ませるしかない。しかも、さいみんじゅつは昔から信頼できる技ではないので、その組み合わせは半分くらい自分で崩れる。
どの世代でも変わらないのは、物理面のもろさだ。HP68、防御65は未進化ポケモンのような数字であり、518という合計種族値を持つ進化後になってもそのまま残っている。進化で得たものは2つの特殊能力にすべて注ぎ込まれ、ほかに回す余裕はなかった。