ブルンゲル徹底解説
沈没船の王冠を持つクラゲ
デザインの出発点はクラゲだが、小型で現実的な姿ではない。体の大きさ、布のように見える触手、頭上の王冠は、深海にすむ種類、とりわけ巨大なユウレイクラゲを思わせる。ポケモン図鑑の説明はそのイメージを海の伝説へと広げ、消える船、海の底へ引きずられる乗組員、船の残骸で作られた巣を描いている。
英語名にはクラゲを意味する jellyfish に由来する「jelly」が含まれている。日本語名のブルンゲルは、「ぶるんぶるん」のような、震える動きを表す擬音と「gel」を組み合わせたものだ。柔らかな体で浮かびながら移動し、海水を吸い込んで推進する姿にも合っている。
イッシュからガラルへ
ブルンゲルはプルリルとともに第5世代で初登場した。当初はみず単タイプの系列として構想されていたが、危険な海の怪物としての側面を強めるため、開発中にゴーストタイプが加えられた。それ以来、難破船や獲物から奪う生命エネルギーが、その個性と結びついている。
後の世代でも種族値の配分とタイプの組み合わせは変わらなかったが、使える技は変化してきた。『ソード・シールド』では、耐えるためのじこさいせい、攻撃用のシャドーボールとハイドロポンプ、相手に応じて使い分けるだくりゅう、ねっとう、れいとうビームという、よく知られた構成を維持している。教え技としてポルターガイストも加わり、物理方面の攻撃性能が広がったが、攻撃60では主力にはしにくい。
ほかのみずタイプとの立ち位置
より攻撃的なみずタイプと比べると、特攻85よりもHP100と特防105のほうが重い。すぐに相手を倒すのではなく、半減または無効にできる攻撃に繰り出し、HPを回復しながら相手の対処法を引き出す。ちょすいは、みずタイプの攻撃に頼る構築との戦いを有利にするが、くさ、でんき、あくに対する問題まで解決してくれるわけではない。
マンタインとはゴーストタイプを持つ点でも異なる。この追加タイプによってノーマルとかくとうを無効にできる一方、マンタインにはない弱点も増える。耐久寄りのほかのみずポケモンに対しては、シャドーボールとみちづれで別の形のプレッシャーをかけられる。簡単にダメージを与えられない相手には、対応する技構成でちょうはつを採用すれば、回復や補助技を防げる。『ソード・シールド』では、じこさいせい、おにび、シャドーボール、みず技に集中する構成が可能だ。
浮かび続けることの難しさ
耐久役として使うなら、HPを維持する必要がある。HPが減るとしおふきの威力も下がるため、元気な状態で使える場面まで温存したい。じこさいせいを選べば序盤から場に出て、相手の交代を誘って有利に動ける。ハイドロポンプやシャドーボールを採用するなら、一度受け出してから攻撃を押しつけ、撤退する耐久アタッカーとして使うほうが機能しやすい。
防御70では、物理受けの万能な壁として扱えない。くさ、でんき、ゴースト、あくの攻撃は直接的な対策になり、蓄積ダメージが増えるほどじこさいせいの価値も下がっていく。のろわれボディは同じ技を繰り返す相手を困らせ、ちょすいはみず技に対する安全な受け出しを作る。しめりけは、自爆に頼るポケモンへの限定的な選択肢だ。浮かぶクラゲのシルエットに隠れている役割は、かなり明確である。特殊方面で耐え、特定の攻撃を無効化し、相手の交代を回復のターンに変えるポケモンだ。