ワルビル徹底解説
夜のために生まれたワニ
デザインの基礎になっているのは細い口先を持つワニで、最終進化よりも軽快なシルエットをしている。目の周りの黒い帯は暗視ゴーグルを思わせ、図鑑説明ともよく噛み合う。この膜は砂から目を守り、熱を感知し、暗闇でも周囲を見通す。単なる装飾ではなく、生息環境での暮らし方そのものを形作り、視界が完全に失われる場所でも狩りができる理由になっている。
砂漠とのつながりは行動にも表れている。群れで暮らし、獲物を砂の下に蓄え、穴を掘って寒さから身を守る。メスとオスの役割の違いからは、具体的な社会構造も読み取れる。単に個体が集まっている群れではなく、メスが優位な立場につく組織として描かれている。
牙のある名前
Krokorokという英語名は「crocodile」の冒頭部分を残し、石を思わせる語尾、あるいはずる賢く不正直な人物を連想させる語を加えている。日本語名のワルビルは、「悪い」や「邪悪」と関係するwaruiとワニを思わせる要素の組み合わせだ。進化後もこの発想は受け継がれ、ワルビアルでは動物と威圧的な態度の組み合わせがさらに強調されている。
バトルでの中間段階
通常の冒険では、ワルビルは使いやすい時期に加入する。攻撃82、素早さ74、そしてじしんを持つ一方で、長いあいだ殴り合えるだけの耐久力はまだない。いかくなら物理アタッカーを相手に繰り出したときの負担を抑えられる。じしんかじょうは相手を倒せば強いが、防御と特防が45の状態で最初の1体を倒すのは簡単ではない。
実戦的には、でんき技やエスパー技に合わせて繰り出し、交代を誘ってからはたきおとす、ステルスロック、ちょうはつを使う動きが基本になる。じしんははたきおとすに耐える相手への有効打になり、どくやいわタイプのポケモンにもただで場に出させない。すなじごくとじだんだは冒険中なら役立つが、簡単に交代できる相手や、先に攻撃してくる相手には価値が下がる。
イノムーと比べると、ワルビルの主な代償が見えてくる。ワルビルは機動力に優れ、エスパー無効も持つが、攻撃を受けることには弱く、交代を読んで繰り出す正確さにより強く依存する。ワルビアルと比べた場合は逆だ。最終進化も同じタイプと特性を持つが、種族値はより高い。そのためワルビルは、未進化であることを活かすチームか、まだレベル40に到達していない冒険中のパーティ向けになる。
変化してきた技構成
第五世代で登場して以来、技構成は複数の旧世代のわざマシンに頼る形から、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で役立つ技と攻撃範囲をそろえる形へ変わった。過去の世代ではどくどくやめざめるパワーを使えた一方、現在の作品ではステルスロック、はたきおとす、テラバースト、じならしを使える。軸になる部分は変わらない。じめんとあくの物理技、道具への圧力、そしてフィールドのコントロールだ。
この変化によって、直接ダメージを重視しない役割が向くようになった。ワルビルは特殊アタッカーとして動ける種族値を持たず、耐久も長期的な受け役を支えられるほどではない。強みは、無効耐性に合わせて繰り出し、いかくで攻撃を下げ、道具を奪い、設置技を残してから退くことにある。相手にみず・くさ・こおり・かくとう・むし・フェアリーのアタッカーが残っているなら、場に居座った時点で、最初の有利を逃げざるを得ない状況へ変えてしまう。