キュレム徹底解説
空白を表すための体
デザインには、獣脚類、ヨーロッパのドラゴン、硬く固まった氷の塊が組み合わされている。腕や頭部のシルエットは肉食恐竜を思わせる一方、体のプレートや尻尾によって、宇宙から来た生物のような印象も加わっている。その設定もこの姿に合っている。冷気や岩、閉じ込められたエネルギーが、凍った天体のような体を連想させる。
イッシュの三体のなかで、キュレムはレシラムとゼクロムに結びつく力のあいだに残された空白を表している。その着想は、陰と陽が分かれる前の概念である道教の無極と結びついている。日本語名のキュレムは英語名と同じ表記で、三体の名前に共通する音の構造も残している。
イッシュの伝説から合体した姿へ
第5世代で、イッシュの物語に関わる伝説のポケモンとして登場した。その存在感は、ポケットモンスター ブラック・ホワイトの続編でさらに大きくなった。そこでは、ゼクロムやレシラムと適切な道具で合体したブラックキュレムやホワイトキュレムが、パッケージの中心を飾っている。どちらの姿もドラゴン・こおりタイプだが、攻撃面の方向性と特性は変化する。
後の世代では、フリーズドライとりゅうのまいによって攻撃の可能性が広がった。前者はみずタイプの相手にもこおりタイプの技を通しやすくし、後者は130のこうげきを物理的な脅威に変える。スカーレット・バイオレットでは、はねやすめを失ったため、耐えながらプレッシャーで消耗させる型には大きな痛手となった。
レシラムとゼクロムのあいだにあるもの
レシラムとゼクロムは、それぞれほのおとでんきに結びついた、よりはっきりした攻撃面の個性を持つ。キュレムはドラゴンとこおりを組み合わせ、こうげきととくこうがともに130、HPも125あるため、チーム全体を組み直さなくても役割を変えられる。その一方で、ぼうぎょととくぼうは90にとどまり、よくある5つの弱点を補うには足りない。
この比較からは、合体した姿が異なる理由も見えてくる。通常のキュレムは技の幅とプレッシャーを活かして戦い、ブラックキュレムは物理火力に、ホワイトキュレムは特殊火力により多くのリソースを集中させる。元の姿はより極端ではないが、攻撃と積み技を切り替える自由度が高い。
有効なターンをどう作るか
特殊型がもっともわかりやすい。主力技にれいとうビームかふぶき、もう一つのタイプの技にりゅうのはどうかりゅうせいぐんを採用し、はがねにはだいちのちから、きあいだま、ラスターカノンで対抗する。フリーズドライはみずタイプのポケモンに対して独自の価値があり、ハイパーボイスなら同じタイプのダメージに頼り続けずに済む。りゅうのまいを選ぶなら、ドラゴンクロー、げきりん、つららばりで物理型を組めるが、すばやさ95では多くの攻撃役に先を越される。
相手がPPの少ない技を何度も使う必要がある場合、プレッシャーの価値は高まる。ただし、防御面での繰り出しにくさまで解決してくれるわけではない。安全に交代できる場面で出し、場の罠を避け、相手の受けポケモンを崩すか、速い攻撃役が弱ったあとに全抜きを狙う役目に残しておきたい。はがねやフェアリータイプは複数の技の組み合わせを止めやすく、かくとうやいわタイプの攻撃を受ければ、体力が十分に残っていても引かざるを得ない。