ベロベルト徹底解説
舌を極限まで伸ばしたデザイン
ベロベルトは、ベロリンガの長い舌というシンプルな要素を、デザイン全体のコンセプトにまで広げている。大きく膨らんだ体、胸元のよだれかけ、力の抜けた表情が、満足そうな食いしん坊を描いたような姿につながっている。舌は腕であり、道具であり、武器でもある。ポケモン図鑑の説明もその精密さを強調しており、極小の豆を拾ったり、自分の体の長さを何度も上回るほど伸ばしたりできる。
英語名は、なめることに関係する「lick」を繰り返している。日本語名のベロベルトには、「舌」をくだけて表す「ベロ」と、なめたり舌を出したりする動作を連想させる音が含まれている。名前の焦点は、体の大きさや食いしん坊らしい姿ではなく、その体の一部に置かれている。
遅れて登場した進化形
先に登場したのはベロリンガだが、その進化形が追加されたのは第4世代になってからだった。ころがるを覚えていることを条件にすることで、2種類のポケモンを特定の技で結びつけ、ベロベルトが舌と体をより力強く使えるようになったという印象を強めている。『ポケットモンスター 金・銀』の初期デモには、ベロリンガの進化形と思われるものがすでに登場していたが、そのときに示されたデザインはまだベロベルトではなかった。
世代を重ねるにつれて、どんかんの実用性は広がった。初期の作品ではメロメロを防ぐだけだったが、その後はちょうはつも防げるようになった。この変更は、後の世代の対戦で担ってきた防御的な役割にも合っている。ノーてんきは、場にいるあいだ天候の効果を消すという、状況次第で価値のある特性だ。
高い耐久力、低い主導権
HP110と防御・特防95によって攻撃を受け止められるが、素早さ50のせいで、ほとんどの場合は相手の最初の攻撃を受け入れなければならない。カビゴンとは、耐えてノーマルタイプの技で攻撃する、大柄なポケモンという立ち位置が共通しているものの、攻撃を継続する力では及ばない。ミルタンクと比べると、体格とHPによる存在感は上だが、遅さを簡単に補えるわけではない。
『Pokémon LEGENDS アルセウス』では、一撃で倒しきれない相手にぶつけていくといい。ねむるで体力を維持し、じしんでじめんタイプに弱い相手を攻撃し、消耗させたあとにすてみタックルやギガインパクトで戦闘を終わらせる。ギガインパクトを早い段階で使うと、次のターンに隙をさらすため、最初の一手よりも仕上げとして使うほうが向いている。
大きすぎる体の代償
問題は、ベロベルトが打たれ弱いことではない。時間が必要なことだ。かくとうタイプの相手には唯一の弱点を突かれ、物理アタッカーには先手を取れない点を利用され、積み技を持つポケモンには、何もできないターンを準備の機会に変えられてしまう。天候が実際に対戦の流れを左右する場合だけノーてんきが候補になり、それ以外ではマイペースやどんかんのほうが直接的な防御になる。
役割はかなりはっきりしている。耐え、安全な隙を見つけ、威力の高い技で攻撃することだ。デザイン上もっとも奇妙なのは今でも舌だが、対戦で毎ターンの行動を最も大きく縛る特徴は、素早さ50である。