マーシャドー徹底解説
格闘技を身につけた影
マーシャドーのデザインは、想像上の相手と戦うトレーニングであるシャドーボクシングをもとにしている。この発想は、技をコピーする能力やパンチ系の技とよくかみ合っている。また、ハワイ神話に登場する存在、とくにナイトマーチャーズやメネフネとも共通する要素がある。その結果、ルカリオのような屈強な格闘家ではなく、暗闇の中に消えてしまいそうな、低く身をかがめた逃げ足の速い姿になった。
日本語名はマーシャドーで、英語名のMarshadowと同じだ。「shadow」の部分は、潜り込んで観察するために使う影を指している。残りの要素は、格闘技というコンセプトや、そうした神話上の存在への参照と結びついている。分類の「かげすみポケモン」は、純粋な幽霊のような生き物とは表現せず、その個性を端的にまとめている。
幻のポケモンとしての登場とガラル到来
マーシャドーは第七世代に幻のポケモンとして登場し、アローラの一般的な場所を探索して出会うのではなく、イベントで入手するポケモンだった。物語上の役割と配布方法は、図鑑の説明にも繰り返し登場する、存在を確認しにくい種という印象を強めていた。
『ポケットモンスター ソード・シールド』では入手できるようになり、教え技にも対応して選択肢が広がった。ポルターガイストによって威力の高い物理ゴースト技を得たほか、コーチングというダブルバトル向けのサポート手段も使えるようになった。かげうちでとどめを刺し、能力上昇を重ねる相手にはシャドースチール、主力のかくとう技にはインファイトを使うという基本形も変わらない。後の作品では、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の通常の対応ポケモンには含まれていない。
ほかの格闘タイプと違う点
近い比較対象は、一般的なかくとうタイプのポケモンではなく、コピーを攻撃手段に変える種だ。ゾロアークは相手の認識を狂わせるためにだましを使うが、マーシャドーは相手の技と能力変化を直接コピーする。この違いがあるため、いかくやだましに特化した特性を必要としない。適切なタイミングを待ち、相手の準備を自分の好機へと変えるのだ。
より耐久力のある格闘タイプと比べた場合、強みは素早さと無効耐性にある。相手がノーマル技や格闘技を使うと読めた場面では繰り出せるが、無造作に出すのは危険だ。防御面がぎりぎりなので、何度も攻撃を受けることはできない。フェアリー、ひこう、ゴースト、エスパー技はとくに危険で、インファイトを耐えた相手から、次の行動を取る前に反撃されることもある。
影を活かす方法
通常の対戦では、相手の構成をある程度把握してからのほうが力を発揮する。かげうちは主導権を失わずにとどめを刺せるため、シャドースチールは能力上昇技を使った相手のために温存したい。インファイトは、防御を維持するより目の前のダメージを優先したい場面で使うべきだ。防御の低下によって、もともとの打たれ弱さがさらに深刻になるからだ。
序盤に相手の情報がないまま送り出したり、2つの無効耐性がどんなミスも帳消しにしてくれると考えたりするのは避けたい。味方の交代に合わせて出すか、味方が相手を倒したあとに出せば、リスクを抑えられる。相手にフェアリータイプのポケモンや、より速い脅威が残っているなら、攻撃を無理に選ぶよりマーシャドーを生存させるほうが役立つこともある。素早さ125によって相手に圧力をかけられるが、それを上回る相手や、防御が下がった状態を突いてくる先制技まで消せるわけではない。