チラーミィ徹底解説
ほうきになりたがるチンチラ
小さな体、灰色の毛、丸い耳、そして不釣り合いなほど毛深いしっぽなど、デザインの出発点はチンチラだ。そのしっぽに、はたきやほうき、モップのイメージを加え、動物の身体的な特徴をそのまま主な行動へ落とし込んでいる。チラーミィはたまたま掃除するのではない。巣穴を掃き、物についた汚れを取り、しっぽが汚れると洗う。きれい好きが極端なので、家の掃除では助かる一方、同じペースで掃除を続けさせられる側には大変かもしれない。
日本語名の チラーミィ は、「チンチラ」と「チャーミング」を組み合わせたもの。英語名の Minccino もチンチラを指しつつ、小ささを感じさせる響きになっている。チンチラポケモンという分類名が、この読み方をさらに明確にしている。
あいさつにも使うしっぽ
図鑑の説明では、しっぽは単なる掃除道具として扱われていない。2匹はしっぽをこすり合わせてあいさつし、互いに毛づくろいもする。また、しっぽの大きさが小さな社会的な序列を生み、よりふさふさしたしっぽを持つほうが自慢する。この掃除と見せびらかしの組み合わせから、見た目と行動を個性の一部にする エネコ との視覚的なつながりも感じられる。ただし、チラーミィはそこから整理整頓への執着へと進んでいる。
世代ごとの変化
チラーミィは第5世代で初登場して以来、個性をほとんど変えていない。デザインは西田敦子が担当し、過去の世代に登場したかわいらしい見た目のポケモンとは対照的な存在として作られた。元のデザインからの変化はわずかで、チラチーノ への進化も別の方向へ置き換えるというより、同じ発想を大げさにしたものになっている。
一方で、覚える技の幅は広がってきた。長いあいだ系統を代表する技だったのはスイープビンタだが、後のゲームでは補完やサポートの選択肢が増え、現代のレパートリーにはたきおとす、とんぼがえり、タネばくだん、じゃれつく、マジカルシャイン、トリプルアクセルなどが加わっている。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ではテラバーストも使えるが、種族値の関係で万能な脅威にするのは難しい。
無理をさせずに活かすには
ストーリー攻略では、すばやさのおかげで多くの相手より先に動けるうえ、変化技で相手のペースを簡単に崩せる。うたう、あまえる、アンコール、おさきにどうぞでターンを稼ぎ、攻撃が必要な場面ではハイパーボイスやとっておきを使える。強力な物理技を正面から受けさせるのは避けたい。ぼうぎょ40、とくぼう40では、状況に応じて耐える余地がほとんどない。
リトルカップでは役割がよりはっきりする。序盤から攻め、威力の低い攻撃技にテクニシャンを乗せ、はたきおとすで相手の道具を失わせる。複数回攻撃を軸にするならスキルリンクにも価値が出るが、耐久の低さを補えるわけではない。かくとうタイプの相手、耐久の高い種族、最初の一撃を耐えられるポケモンには引かざるを得ない。自分の攻撃を耐えられる相手を、味方がすでに削っておいたときが最も動きやすい。