ウツロイド徹底解説
ガラスでできたクラゲ
デザインの出発点はクラゲだが、やわらかな体ではなくガラスの体に置き換えられている。半透明の傘や星形の模様、長い触手が海の生物を思わせる一方、人間のようなシルエットが意図的な不気味さを加えている。いわタイプとのつながりは、砂から作られる人工素材であるガラスを通して理解できる。また、宿主の行動を変化させる寄生生物のイメージとも結びつけられており、図鑑に描かれる凶暴化や寄生の要素に合っている。
英語名は、無を意味する nihil と、自我を意味する ego を組み合わせたもの。日本語名のウツロイドは、「うつろ」と心理学におけるイドの概念をもとにしている。どちらの名前も、はっきりした意思を持たず、衝動に突き動かされ、別の精神に干渉できる存在を示している。
ウルトラサン・ウルトラムーンからガラルへ
ウツロイドは第七世代で、アローラの物語に関わるウルトラビーストの1体として登場した。これらの作品では、後の作品とは異なるレベルで複数の技を覚えていた。ソード・シールドではレベル技が調整され、教え技としてメテオビームとふしょくガスを習得できるようになった。この拡張によって、特殊アタッカーと展開役という2つの定番の役割がより強化されている。
ソード・シールドでは、技構成もより整理された。パワージェムとステルスロックは、ウツロイドらしさを示す分かりやすい技として早い段階から候補になり、もろはのずつきはリスクの高い物理技として選択肢に入る。進化しないため、世代をまたいだ変更は中間進化の段階ではなく、習得技全体に影響する。
フィールドでの使い方
攻撃的なチームでは、フェアリー、ひこう、ほのおタイプのポケモンに交代を強いる展開を活かしたい。半減できる特殊技に合わせて繰り出し、ステルスロックを使ってから、じめんやはがねの相手が出てくる前に交代するのが基本になる。相手が頻繁な交代に頼り、どくへの対応を用意していないなら、どくびしも有効だ。
素早さと特攻のどちらを重視するかで、ビーストブーストの効果は変わる。素早さを最大の能力にすれば、1体倒すたびに連続撃破へつなげやすくなる。特攻を選べば、すでに弱った相手を倒しやすくなるが、素早い相手への対処は必要なままだ。メテオビームは、全抜き前に火力を上げたい構成に向いている。
耐久型として扱うのは避けたい。HP109と特防131によって特定の特殊技には耐えられるが、防御47のため、強力な物理技や先制技を受けると流れを止められやすい。じめんタイプは直接的な対策になり、はがねタイプはタイプ一致技に耐えて反撃できる。ドククラゲは海の生物で、どくタイプを含む組み合わせも共通しているが、ウツロイドが物理耐久を攻撃性能に置き換えた存在なのに対し、ドヒドイデは正反対で、より防御寄りで全抜き性能が低い。
宿主と仮面
幼い少女を思わせる見た目との関係は、単なる細部ではない。その行動を説明する図鑑の文章は、リーリエの姿や、借り物のアイデンティティというテーマにつながっている。触手の形も髪や服、人体の手足をまねている。結果として、普通の意味で凶暴なクラゲではなく、触れる相手を変えてしまう力が明らかになるまでは、壊れやすく親しみやすく見える存在になっている。
この矛盾があるからこそ、ウツロイドのデザインはアローラの通常のポケモンよりも、ウルトラビーストとしてよく機能している。進化系統を持たず、繁殖もせず、通常の生態系に属する居場所もない。外からやって来た姿として現れ、海の生物とガラス、人間の姿を組み合わせた体つきをしている。