ドヒドイデ徹底解説
甲冑をまとったヒトデ
デザインの出発点は、ハワイ沿岸に生息する平たいウニという実在の海洋生物だ。低く丸みを帯びた体つきと、その周囲を閉じる脚によって、長距離を泳ぐというより、波に耐えるために備えた生き物という印象を受ける。頭の先端は冠を思わせる形で、ひとでなしポケモンという分類にもよく合っている。
英語名は「toxic」と「apex」を組み合わせたもので、毒と支配的な捕食者というイメージを直接表している。日本語名のドヒドイデは、「とてもひどい」という意味の表現と、ヒトデを表す日本語に由来する。スペイン語版では英語名がそのまま使われているため、毒とのつながりが最初から見て取れる。
12本の脚、ひとつのドーム
アローラ地方の図鑑説明では、ドヒドイデはサニーゴの残骸を食べ、近づこうとする相手に毒針を使う攻撃的な生き物として描かれている。後の図鑑説明では別の側面も掘り下げられ、脚でドームを作って内部を守り、冷たい海で熱を保ち、身をさらすことなく潮の流れの動きを感じ取るとされる。パルデア地方では、暖流域をめぐってハギギシリと争う姿も見られるが、そうした争いでは不利な立場にある。
防御は見た目だけの要素ではない。トーチカはその姿勢をそのまま再現しており、体を閉じて攻撃を防ぎ、接触してきた相手を毒にする。この技は消耗戦のターンを稼ぐのに役立つが、使いすぎると相手に守るタイミングを読まれ、試合の流れを利用される。
アローラからパルデアへ
ドヒドイデはヒドイデとともに第7世代で登場した。その時点ですでに、アイデンティティを決定づける組み合わせを備えていた。非常に高い防御と特防、じこさいせい、どくびし、トーチカである。第8世代ではその性質が維持され、レベルアップで覚える技の一部が整理された。第9世代では、なみのり、ヘドロばくだん、ハイドロポンプといったダメージ技に加え、どくどく、まもる、いたみわけも使える。
長期的な消耗戦と頻繁な交代が重視される環境で、とくに大きな競技上の存在感を持った。現在のルールでもシングルバトルの受け寄り構築で採用先を見つけているが、相手がじめん、エスパー、でんきタイプの技を持っていたり、じこさいせいやどくどくを封じられたりすると、動ける余地は小さくなる。
ターンを無駄にせず活用する
最も簡単な使い方は、耐性のある技に後出しし、どくびしを撒くかどくどくを使い、じこさいせいでHPを維持すること。さいせいりょくは交代するたびに役立つため、効果抜群の技で攻撃できる相手の前に居座るべきではない。トーチカは接触技が読める場面で使うほうが、毎ターン自動的に使うよりも効果的だ。
通常の対戦では、適切な対策技を持たないみず、ほのお、かくとう、フェアリータイプのポケモンに強い。直接攻撃の火力は控えめで、素早さも非常に低いため、アタッカーとして考えてはいけない。特性ひとでなしは、相手がすでに毒状態のときだけ技を確定急所にする。安定性を求めるなら、長期戦ではさいせいりょくのほうがはるかに役立つ。