ナゲツケサル徹底解説
きのみのユニフォーム
デザインの出発点はキツネザルで、クロシロエリマキキツネザルとの共通点がはっきりしている。実在の種は群れで暮らし、協力して食料を探す。この2つの特徴が、そのまま図鑑の説明に取り入れられている。スポーツ要素は、構えた姿勢や肩の葉っぱ、きのみを投げる動きに表れている。とくに、ボールを受けたり投げたりするアメリカンフットボールの選手を思わせる。
英語名は「pass」と「simian」を組み合わせたもの。日本語名はナゲツケサルで、投げつけると猿に由来する。日本語名のほうは、戦い方をそのまま説明している。きのみは食料であり、武器であり、権威の象徴でもある。
アローラで生まれた種族
ナゲツケサルは第7世代で、アローラの群れというコンセプトとともに登場した。それ以来、かくとうタイプ、外見、独自の進化系統は変わっていない。変化したのは、世代ごとに使える技の顔ぶれだ。『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』では、教え技ではたきおとすとダストシュートを習得できるようになり、交代への圧力とフェアリーへの対抗手段が強化された。
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、インファイト、あばれる、すてみタックル、ギガインパクトなど、物理技を中心に覚える。ビルドアップ、まもる、ちょうはつ、バトンタッチ、とんぼがえりといった補助技も使える。姿が変わる種族ではなく、その個性は群れの組織性に集約されている。
ひとりでは走りきれないランナー
シングルバトルでは、いわ、あく、むしタイプの攻撃に繰り出し、インファイトやはたきおとすで圧力をかけ、かくとう技を受けられる相手が出てきたらとんぼがえりで引く動きが使いやすい。まけんきは能力を下げようとする相手への牽制になるが、発動させるために無理をするのは禁物だ。ひこう、エスパー、フェアリーのアタッカーなら、その隙に倒されかねない。
こだわりスカーフを持たせれば、素早さ80を補って素早い相手への切り返し役になれる。より攻撃的な型として、こだわりハチマキやビルドアップによる強化もあるが、どちらも回復手段のなさがより響く。どくタイプにはじしん、フェアリーにはダストシュートやアイアンヘッドで奇襲でき、はたきおとすは効果抜群でなくても価値が高い。
ヤレユータンと大型霊長類のあいだ
自然な比較対象はヤレユータンだ。どちらも社会性の高いアローラの霊長類として描かれている。ヤレユータンが味方の支援や試合の流れの操作を得意とするのに対し、ナゲツケサルは物理火力と即効性のある圧力を担う。少し離れた立ち位置では、運動能力の高い霊長類というイメージをヤルキモノと共有している。ただし、ヤルキモノが個体の落ち着きのなさを表すのに対し、ナゲツケサルは集団の規律を表している。
HP100と防御90のおかげで、物理攻撃には特殊攻撃よりも強い。特防60、蓄積ダメージ、インファイトによる防御低下が、慎重な繰り出しを求める理由だ。群れは物語上のテーマだが、バトルでの表現はシンプルでいい。攻撃し、交代を誘い、次のターンを別の仲間に渡す。