ブロロローム徹底解説
生き物の魂を持つエンジン
ブロロロームの出発点は、燃焼エンジンが生き物になったというシンプルな発想だ。ブロロンとともにコザキユースケが手がけたデザインは、乗り物全体を描くことなく、車を思わせるシルエットへとその発想を広げている。シリンダーは排気管として機能し、前面の形はドクロを連想させる。この要素が、どくタイプの毒性にもつながっている。金属、煙、そして攻撃的ともいえる表情の組み合わせは、ちょうはつ、いばる、さわぐといった技を覚えることにも納得がいく。
英語名はわかりやすい。「rev」はエンジンの回転数を上げることを表し、「vroom」はその音を再現している。日本語名のブロロロームは、エンジンの轟音を表す擬音語「ぶろろろ」に、最後の「vroom」に近い響きを加えたものだ。神話上の生き物を探す必要はない。元になっているのは機械だが、物体が命を得るという発想は、生命を持つようになった日本の物体の伝承にもつながっている。
ブロロンから戦闘マシンへ
ブロロンからの進化はレベル40で起こる。変化は単なる大型化ではない。コンパクトなエンジンから、複数のシリンダーを備えた、はるかに重量感のある構造へ変わる。120 kgの体重を考えれば、こうげきの高さがデザインに合っていることがわかる。一方で、ぼうぎょ90とすばやさ90によって、ただ遅いだけのタンクにはなっていない。
ブロロロームは第九世代で初登場したため、過去世代からの調整や、何年もかけて積み上げられた対戦環境での歴史はない。最初からギアチェンジ、アイアンヘッド、ダストシュートを軸にした技構成が定められていた。後には、10まんばりき、オーバーヒート、やけっぱちといった補完技によって、2つのタイプ一致技を半減するはがねタイプのポケモンにも攻撃できるようになった。
ターンを作る方法
対戦では、耐性のある攻撃に合わせて出し、ギアチェンジを使い、相手が立て直す前に攻撃するのが基本になる。フィルターは一部の効果抜群技を耐えられる範囲まで抑えてくれるが、無理に動いていいわけではない。じめんタイプへの弱点は常に脅威で、とくぼう67を特殊アタッカーに突かれることも多い。
アイアンヘッドは安定したはがね技で、どくづきはどくに弱い相手に大きなダメージを与える。ダストシュートならさらに火力を出せるが、命中率とPPの少なさによってリスクも増す。10まんばりきは複数のはがねタイプに対して実用的な補完技で、ちょうはつを使えば回復、状態異常、わなを展開する動きを封じられる。チームに消耗戦の手段が必要なら、相手がすぐに攻撃できないターンにどくびしを置くのも有効だ。
隠せない弱点
物理方面の攻撃性能は特殊方面より優れているが、ギアチェンジを押せばそれだけで勝てるわけではない。はがねタイプのポケモンには、はがね技とどく技の両方を半減される。また、じめんタイプの相手には、積む前に交代を強いられることがある。すばやさ90も有用ではあるが、準備なしですべての相手を抜けるわけではない。
そのため、先に相手の受け先を削る構築で特に使いやすい。じめんタイプやほのおタイプに圧力をかけられる味方がいれば、積み技を使うターンを作りやすくなる。わなや継続ダメージで相手を削っておけば、物理技の射程にも入りやすい。ぼうぎょの高いはがねタイプを相手にするときは、アイアンヘッドにこだわらず、10まんばりきやほのお技の補完を温存したい。
耐性と物理的な圧力を両立する、ほかのはがねタイプのポケモン、たとえばジバコイルにも似た立ち位置だが、戦い方は異なる。ジバコイルはとくこうから相手を脅かし、ブロロロームは119のこうげきを活かすために積み技が必要になる。初手から攻撃できる機械と、まずエンジンを回転域まで上げなければならない機械。その違いがここにある。