ツボツボ徹底解説
脚のついたつぼ
日本語名はツボツボ、Tsubotsubo。名詞の tsubo、つまりつぼ、器、かめに由来する。第2世代の名前によくあるように、2回くり返している。英語名のShuckleは、殻を意味する shuck と、殻の中に入りこむ動作の両方から来ている。どちらの言語も同じもの、容器に目を向けていて、その中にいる虫を説明しようとはしていない。
そして、中にいる虫はほとんど存在しない。デザインのすべてが外側だ。穴の開いた赤い甲羅が、情けない脚で支えられ、その前から小さな頭だけがのぞいている。全体をつなぐ細部がジュースだ。つぼの中できのみを発酵させる設定は図鑑の飾りではなく、ゲームでも認識されている。『ハートゴールド』と『ソウルシルバー』ではきのみジュースを持っていて、その道具はほかの消費アイテムと同じようにHPを回復する。
HP20の数学
通常の壁役と防御を比べると、この仕掛けがよくわかる。古典的な特殊受けは、膨大なHPとそこそこの防御があるから耐えられる。ハピナスが教科書どおりの例だ。ツボツボはその逆で、結果はさらに悪い。防御が適用されるのは防御を参照するダメージだけだが、HPはあらゆるものに適用されるからだ。どく、時間、反動、固定ダメージ、のろい。そのどれも230を見ない。
だから競技シーンでの歩みは、攻撃を受け止めることではなく、ずっと補助の側にある。倒れる前にステルスロックとねばねばネットを置く仕事なら、長く生き残る必要はない。その役割では、同じ世代に登場し、同じ用事をより高いHPと鋼タイプでこなすフォレトスとも競える。
変わってきたもの
第2世代では特性ががんじょうひとつしかなく、当時のがんじょうは一撃必殺技にしか効かなかった。第5世代の仕様変更――HP満タンから一撃で倒されるのを防ぐようになったこと――が、ツボツボを使えるポケモンにした。そのとき、隠れ特性としてあまのじゃくも加わった。第4世代では、それより前にくいしんぼうが追加され、攻撃と防御を入れ替えるパワートリックも登場している。Lv.55で使えば、素早さ5でまともに攻撃する手段もないポケモンに攻撃230を与えられる。種族の定番のジョークだ。巨大な攻撃を与える唯一の方法は、持っているものをひとつ奪うことなのである。
からをやぶるも、ほかのポケモンとは逆向きに機能する。パルシェンがこれを使って素早く危険なアタッカーになるのに対し、ツボツボはあまのじゃくと組み合わせることで、防御を上げ、すでに底にある攻撃をさらに下げる。ねばねばネットは第6世代で登場し、ようやくツボツボがバトルフィールドに出る明確な理由を与えた。
Lv.35で覚える2つの技、ガードシェアとパワーシェアも、同じ考え方を別の方向から示している。ガードシェアは相手と防御を平均するため、ツボツボの場合は敵に耐久を分け与えることになる。一方、パワーシェアは攻撃を平均し、相手の攻撃をほとんど何もできないところまで落とす。