マッギョ徹底解説
泥から生まれた平たい魚
デザインの元になっているのは平たい魚で、特にカレイ目の魚の要素が強い。さらに、底に埋もれて暮らし、刺激されると放電する生き物として、シビレエイやミシマオコゼの特徴も取り入れられている。その組み合わせが、押しつぶされたような体つき、湿った砂での生活、顔にある黄色い模様につながっており、その模様は感嘆符にも見える。
最初から同じコンセプトだったわけではない。元の案はアンコウをもとにしたみず・でんきタイプだったが、タイプ配分を調整するため、最終的にじめん・でんきタイプへ変更された。その結果、みずでっぽう、なみのり、だくりゅうには水とのつながりが残っているものの、バトルでの個性は電気と泥の地面に支えられている。
ガラルがもたらした変化
『ポケットモンスター ソード・シールド』では、クマのわなを思わせるガラルのすがたが登場した。灰色がかった体と緑色の模様は、イッシュ地方の笑う魚とは大きく異なり、口元は獲物をおびき寄せるモンスターボールを思わせる。このすがたでは、「埋もれて電気を流す動物」という発想が、「近づいた相手を閉じ込める擬装されたわな」へと置き換わっている。
元のすがたにも、世代をまたいだ細かな特徴がある。じゅうなんはまひを防ぐが、第6世代以降は、タイプを外部の効果で変えないかぎり、じめんタイプ自体がまひを無効にするため、この保護の意味はほとんどなくなった。すながくれは、すなあらしの間に回避率を上げられるので有用だが、防御寄りの役割にはせいでんきのほうが一貫している。
とても短い脚の壁
バトルでは、HPと防御面の数値によって、物理と特殊のほどほどの攻撃なら受けられる。ただし、場に出るたびに相手を脅かせるほどの火力はない。じめん・でんきタイプなので、でんき、ひこう、どく、いわ、はがねタイプのポケモンに圧力をかけられ、でんき技も無効にできる。くさ、じめん、こおり、みずへの弱点はより深刻で、対面から出てきた相手にそのまま交代を強いられることも多い。
防御型なら、ステルスロック、ほうでん、まもるが基本になる。ステルスロックで交代を削り、ほうでんでダメージとまひを狙い、まもるで相手の技を見たり、定数ダメージのターンを稼いだりする。じめん技を直接当てたいならじしんがあり、10まんボルトやだいちのちからなら特殊側に寄せられる。特攻81でも、完全に置物になるわけではない。
安定した回復手段がないことが最大の制約だ。ねむるならHPを回復できるが、眠り状態になるため、何度も繰り出す力が落ちる。さらに素早さ32なので、ほぼすべての攻撃を受けてから動くことになる。そのため、ねがいごと、きりばらい、こうそくスピンなどのサポートがあると扱いやすく、くさ・みず・こおりを受けられるポケモンと組ませたい。
力押しより先にまひ
実戦では、どの相手に繰り出すかを見極めることが重要になる。接触技に頼る物理アタッカーは、マッギョに触れるだけでせいでんきによってまひする可能性があるため、簡単には攻撃できない。その後はエレキフィールドででんきタイプの圧力を高め、ほうでんなら細かい読み合いに頼らず脅威を維持できる。
遅いチームに対しては、ステルスロックの削りとまひによって、より速いアタッカーの攻撃を通しやすくなる。反対に、攻撃的なチームを相手にすると、遅さと弱点がすぐに表れる。くさやみずタイプの相手は簡単に後出しでき、交代を迫られる。じめんタイプのアタッカーなら弱点を突けるうえ、回復手段のなさも利用できる。
水中のポケモンとして自然に比較されるのは、みず・じめんタイプででんき技にも強いナマズンだ。マッギョはみずタイプを捨てる代わりに、でんき無効と接触時のまひを得ている。この違いが役割を決めている。全抜きを狙う頑丈な魚ではなく、時間をかけて相手を削る砂のわななのだ。