ハギギシリ徹底解説
サンゴ礁の歯と看板のような色
デザインは、押しつぶされたような体つき、強そうな口、コントラストの強い模様から、サンゴ礁にすむモンガラカワハギの仲間を思わせる。ハギギシリの模様はクマドリモンガラにも似ており、全体的に色が多く派手な見た目になった理由が分かる。額の突起がエスパー要素を加え、アローラ地方の図鑑説明にもつながっている。単なる飾りではなく、獲物を探して動きを止めるためのエネルギーを放つ器官なのだ。
英語名は、歯ぎしりを意味するbruxismとfishを組み合わせたもの。日本語名のHagigishiriは「歯」を意味するhaを含み、歯ぎしりとモンガラカワハギの仲間を思わせる名前になっている。力を使うときに鳴らす音が、名前と見た目、生態をひとつのイメージにまとめている。
1世代ぶん姿を消していた種族
ハギギシリは『サン・ムーン』で初登場し、その後、『サン・ムーン』から『スカーレット・バイオレット』へ移る間のNintendo Switch世代では登場しなかった。復帰後も基本的な個性は変わらなかったが、覚える技の一部は更新されている。レベル25で覚えていた技はサイコショックに置き換えられ、レベル44の技はウェーブタックルになった。終盤の物理寄りな性格が強まった一方、レベルアップでは特殊技と物理技が混ざる珍しい構成を保っている。
さらに、わざマシンで覚えられる有用な技や補完技も戻ってきた。とんぼがえり、サイコフィールド、トリックルーム、こおりのキバなどがその例だ。こうした変更を正当化する進化は必要ない。特性による攻撃強化、先制技、読まれにくい補完技を組み合わせられること自体が、このポケモンの面白さだからだ。
先発で出たがらないアタッカー
サメハダーと比べると、ハギギシリはすばやさで劣る代わりに、よりテクニカルな個性を持つ。攻撃して逃げるだけのプランではなく、がんじょうあごでサイコファングとかみくだくを強化し、つるぎのまいでこうげきを2倍にする脅威を作り、ビビッドボディで先制技による反撃を封じられる。ただし、HP68と、3つの耐久系種族値70では、その準備中に何度も攻撃を受けることはできない。
通常のストーリーでは、味方が倒れたあと、とんぼがえりで交代したあと、あるいは相手が交代を強いられる場面で出すと使いやすい。アクアジェットはとどめを刺すための技であって、不利な盤面を立て直す技ではない。遅いパーティーを相手にするならつるぎのまいを狙い、攻撃的な相手にはすぐ攻撃するか、場から離れるべきだ。かみくだくを外すと、主力技を耐えるエスパータイプのポケモンに動く余地を与えてしまう。
トゲをめぐる関係
ヒドイデとの関係は、同じ環境に登場するというだけではない。ハギギシリの厚い皮膚はヒドイデのトゲにも耐え、そのあとで歯を使ってトゲをかみ砕き、飲み込んでしまう。この場面が、デザインで歯がこれほど強調されている理由を説明している。歯は見た目を誇張するためのものではなく、食べるため、そして身を守るための道具なのだ。
持ち物にできるするどいキバも、戦闘の外で同じ発想を引き継いでいる。見た目を変える別の姿も、コンセプトを発展させる進化もない。砂の下で待ち伏せし、額の突起だけをのぞかせ、歯ぎしりで獲物を見つけたことを知らせる、派手な色の魚。その要素がすべて1匹に集約されている。