ヤブクロン徹底解説
破れた袋から生まれた生き物
デザインの元になっているのは、産業廃棄物との反応で形を変えた家庭用のゴミぶくろ。しばった口が体の上部をつくり、穴が目として機能する一方、小さな腕と脚が人型のシルエットを生み出している。このアイデアは見た目だけにとどまらない。図鑑の説明では、汚染が生物として表現されている。ゴミを食べ、有害なガスを吐き出し、ゴミ捨て場や汚れた場所を探す。
英名はゴミを意味する「trash」と「rubbish」を組み合わせたもの。日本語名のヤブクロンは、破れたりゆるんだりした袋を思わせる要素から、破くことやゆるい状態、袋を連想させる。捨てられた物から生まれた生き物という設定に合っており、動物が変装しているわけではないことも伝わる。
都市汚染の後継者
ヤブクロンは、進化形のダストダスとともに第5世代で登場した。2種は地面の汚染を表しており、ベトベターとベトベトンが別の汚染廃棄物を、ドガースが空気の汚染を表しているのと同じだ。比較はわかりやすい。4種ともどくタイプで、進化は1回だけ、そして廃棄物や汚染をテーマにしている。
登場作品にも特徴がある。『ポケットモンスター ブラック』『ポケットモンスター ホワイト』で初登場し、その後の複数の世代を経て『ポケットモンスター ソード』『ポケットモンスター シールド』にも登場した。『ソード・シールド』の技構成でも、どくびし、まきびし、クリアスモッグを中心とした、わなを置く役割は変わらない。ゆうばくはポケモンドリームワールドから隠れ特性として登場し、だいばくはつは威力を下げる変更によって、以前の世代より価値を落としている。
できる仕事ははっきりしている
リトルカップでヤブクロンは、チームを全抜きしようとはしない。繰り出してどくびしやまきびしを置き、相手に交代してスリップダメージを受けるか、クリアスモッグを使えるポケモンの前に居残るかを選ばせる。後者は、こうげき、ぼうぎょ、すばやさを積む相手に特に有効だ。対戦が長引いたときは、いたみわけで相手とHPを分け合い、消耗を遅らせられる。
ねんちゃくには、道具を奪われないという明確な実用性がある。役割を終えたあとも、ゆうばくなら、とどめを刺した攻撃者にダメージを与えられる。あくしゅうにはひるませる可能性があるが、それだけで戦術を組み立てることはできない。一方、ダストシュートとだいばくはつは緊急用の手段だ。前者は高い威力で平凡なこうげきを補い、後者は倒れる前に相手の陣形を崩せる。
使いにくくする要素
じめんとエスパーは、ヤブクロンの2つの弱点を突き、交代を迫りやすい。どくびしを吸収したり除去したりするポケモンがいると貢献度は大きく下がり、交代に頼らない相手には戦術の一部を無視される。安定した回復手段もなく、いたみわけはHP回復を保証せず、たくわえるは機能するまでに何ターンも必要になる。
そのため、使うタイミングは、交代がまだ頻繁で場の状態が重要な序盤から中盤がよい。最後の攻撃役として温存するのは向いていない。こうげき50、とくこう40、合計329では、攻撃面の数値がより高い種に後れを取るからだ。わなが置かれ、相手の能力上昇が消え、またはゆうばくでとどめの一撃をとがめられる状態になれば、役割は終わる。