バニリッチ徹底解説
アイスクリームであり氷柱でもある
バニリッチのデザインは、コーンに盛られたアイスクリームがもとになっている。上部はアイスクリームの玉を表し、下部はコーンと氷の造形の両方を思わせる。雪でできた生き物という発想は保ちつつ、*バニプッチ*よりも縦に長いシルエットと、幼さの薄い表情に仕上がっている。
英語名は「vanilla」と、何かがとてもおいしいことを表すくだけた言い方の「delish」を組み合わせたもの。日本語名のバニリッチは「vanilla」と「rich」を組み合わせている。名前の違いはあっても、アイスクリームや甘さ、氷でできているのに食べられそうな見た目という中心的なコンセプトは変わらない。
イッシュで生まれた種族
バニリッチはバニプッチ、バイバニラとともに第5世代で初登場した。登場時から、氷河期や氷柱のエネルギーに結びついた設定が用意されていたが、後のポケモン図鑑では種族の生態がさらに広げられた。南へ移動したことを説明するものもあれば、熱で溶けること、相手を凍らせてから頭突きで粉々にすること、暖かい地域で人気があることを語るものもある。
世代をまたぐごとに覚える技は調整されてきたが、こおり技、防御寄りの手段、相手を妨害する技という個性は変わっていない。第8世代のゲームでは、レベル44でれいとうビーム、レベル50でふぶきを覚えるため、最終進化を迎える前に攻撃性能がはっきり向上する。また、とけるで防御を強化できるが、それだけでタイプ上の弱点を補えるわけではない。
系統の中で扱いに困る段階
バニリッチはバニプッチより数値が高いものの、バイバニラの安定感にはまだ遠い。特攻80は活かしやすく、特防75のおかげで中程度の特殊技なら一発耐えられることもある。問題は、HP51、素早さ59、そして弱点の多い単タイプを組み合わせている点にある。
冒険用のパーティーでは、れいとうビームを覚えてから、最終進化ほどの火力をまだ必要としない時期がもっとも使いやすい。素早い相手にはこごえるかぜが有効で、あられならアイスボディやゆきがくれも発動する。ただし、天候を軸にした戦術を組むと、パーティーの構成がかなり制限される。くだけるよろいなら物理技を受けたあとに素早さを上げられるが、防御が下がるため、次の攻撃にはより弱くなる。
無理なく活かす方法
ほのお、かくとう、いわ、はがねタイプの技を持たない相手に繰り出し、不要な交代は避けたい。安定した選択肢はれいとうビームで、ふぶきなら威力が上がる代わりに命中率の低下を受け入れる必要がある。ミラーコートは倒されずに特殊技を受けたとき、特殊アタッカーに反撃できる。ひかりのかべは、特殊技から味方全体を守るのに役立つ。
長期戦に耐えるための種族ではない。別のメンバーが相手を弱らせたあとや、安全に交代できる場面で出す、ピンポイントの特殊アタッカーとして使うのが向いている。だいばくはつは緊急時の退場手段になるが、攻撃65では、耐久の高い相手を巻き込む手段として効率が悪い。
デザートのような見た目と、敵を凍らせて粉々にするというポケモン図鑑の説明との落差は意図的なものだ。それは最終進化にもつながっている。*バイバニラ*は1個のアイスクリームの玉を2つの頭を持つ構造へ変化させ、系統全体が1人分のコーンから2人分のダブルサイズへ進んだように見える。