ワンパチ徹底解説
稲妻の尻尾を持つコーギー
出発点になっているのはウェルシュ・コーギーで、ガラル地方の風景や地域のイギリス的なイメージと結びついた犬種だ。低い体つき、短い脚、立った耳はすぐに見て取れるが、デザインにはかなり具体的な電気の要素も加えられている。稲妻の形をした黄色い尻尾、首まわりの黄色い毛、走ると散る火花などだ。ハート形の腰の模様は、犬らしい茶色と白のシルエットに変化をつけている。
英語名は、犬の短い鳴き声を表す「yap」、電気に関係する単位「ampere」、素早い足取りで走る「scamper」を組み合わせたものだ。日本語名はワンパチで、犬の鳴き声や火花が散る音を思わせる語から作られている。スペイン語版では英語版と同じく「Yamper」が使われている。
役に立つ子犬であって、俊足ではない
バトルではなく冒険のポケモンとして見ると、使い勝手のよさがわかりやすい。序盤はたいあたりとしっぽをふるを覚え、その後レベル5でほっぺすりすり、レベル10でかみつく、レベル20でスパークを習得する。この進行は、物理ダメージと状態異常による妨害を組み合わせたものだ。さらにかみくだく、ワイルドボルト、じゃれつくを覚えるが、種族値はその多彩さに完全にはついてきていない。
HP59と防御・特防50によって、特に強力ではない攻撃なら受けて場に出られる。反対に、素早さ26のせいで、多くの攻撃を受けてから動くことになる。でんきタイプはひこうタイプやみずタイプのポケモンに有効だが、じめんタイプの技には常に注意が必要だ。あなをほるは一部の相手への一時的な対策になり、ほのおのキバは物理技の補完になるものの、火力不足そのものは解決しない。
バトルの外で活躍するたまひろい
たまひろいは捕獲中に役立つ特性であり、対戦用の道具ではない。ワンパチが道具を持っていなければ、最初に投げて捕獲に失敗したモンスターボールを拾ってくる。バトル中に有利を生み出す効果はない。隠れ特性のびびりは、こちらのほうが使い道がはっきりしている。特定の攻撃を怖がると素早さが上がるが、26からのスタートなので、適切なタイミングで発動できなければ効果は限られる。
低レベルのシングルバトルでは、ほっぺすりすりによって明確な役割を持てる。素早い相手の動きを止め、味方が動く機会を作れるからだ。それでも、じめんタイプへの弱点、控えめなダメージ、まひへの依存によって、採用はニッチなものになる。冒険では、でんきに弱い相手を攻める序盤のアタッカーとして使うほうが、終盤まで固定メンバーにするより向いている。
ガラルから一直線の進化へ
ワンパチは第8世代のポケットモンスター ソード・シールドとともに登場した。その進化ラインに別の姿はなく、レベル25で*パルスワン*へ進化し、でんきタイプを維持したまま子犬らしい外見を離れる。後の世代で新たな進化やリージョンフォームが追加されたことはなく、ポケットモンスター スカーレット・バイオレットには登場しない。
*ヨーテリー*とは、冒険序盤の犬ポケモンという立ち位置が機能的に似ているが、役割はすぐに分かれる。ヨーテリーはノーマルタイプの物理攻撃に寄っているのに対し、ワンパチはでんきへの耐性、まひ、ほのおのキバによる補完を持つ。この比較からは、主な弱点も見えてくる。ワンパチはサポートの手段が多い一方、行動するまでに時間がかかる。バチュルが静電気を目当てに腰へ乗っていることも多く、この細部がガラルの電気を帯びた生態系とデザインをつないでいる。