ドータクン徹底解説
地中から現れた鐘
デザインのもとになっているのは西洋の鐘楼の鐘ではなく、日本の銅鐸だ。幾何学模様や自然を描いた装飾が施された青銅器で、離れた場所に埋められていた。収穫に関わる儀式で使われていたため、図鑑の説明でも雨や豊作が強調されている。発掘中に見つかった品というイメージも、土を掘り返したときに銅鐸が発見される話とよく合っている。
英語名は bronze と gong を組み合わせたもの。日本語名のドータクンは、青銅の鐘を意味する銅鐸をもとにして、語尾に「くん」のニュアンスを加えている。顔の形や嵐との結びつきには、メソアメリカの雨の神々を思わせる要素もある。目のついた鐘を気まぐれにデザインしたのではなく、儀式用の道具が命を得たというコンセプト全体が軸になっている。
大きさが変わる進化系列
ドーミラーは同じタイプの組み合わせを保っているが、体つきは平たく小さい。レベル33で進化すると、体積と重さが増し、よりはっきりとした壁役になる。見た目の変化はわかりやすく、浮かぶ金属板から、両側に腕を持ち187 kgを支えられる完全な鐘へと変わる。
第4世代で初登場して以来、機械的な個性は保たれている。初期の登場作品では、ふゆうとたいねつのどちらを選ぶかによって、チームが対策すべき弱点が大きく変わった。前者はじめんタイプを無効化し、後者はほのおタイプのダメージを減らす。世代を重ねるにつれて覚える技の構成は変化し、昔の考察でよく使われただいばくはつは、現在のスカーレット・バイオレットでは選択肢に含まれていない。レベル56で覚えるあまごいは、雨にまつわる伝承とその戦闘システムを今も結びつけている。
遅さを味方につける
素早さ33では、素早いアタッカーとして運用できない。その一方で、素早い相手ほど威力が上がるジャイロボールを活かせるうえ、味方も遅く動きたい場合にはトリックルームが自然な選択肢になる。実戦では、半減できる攻撃に後出しし、ステルスロックやトリックルームを使って、残りHPを温存しながら後でもう一度繰り出す流れが実用的だ。
ふゆうは、じめんタイプを無効化してはがねタイプと非常に相性よく補完できるため、最も柔軟な選択肢になりやすい。チームですでにじめんタイプへの対策ができており、ほのおタイプから受ける圧力を減らしたいなら、たいねつにも意味がある。この特性ならじしんの攻撃性能が高まり、ふゆうを失う場合は、じめんタイプへの無効耐性を手放すことになるため、技の安全性が一部失われる。
青銅と同じくらい重い弱点
防御と特防はどちらも116で、物理と特殊の両方の脅威に対応できるが、HP67のためミスを許される幅は狭い。何度も繰り出すうちに消耗が早く進み、ほのお、ゴースト、あくタイプの攻撃が交代先を制限する。ちょうはつを受けると補助技や変化技が使えず、ジャイロボールを半減する相手には、相手に自由な1ターンを与えやすい。
メタグロスと比べると、ふゆうやたいねつによって防御面での使いやすさは上だが、攻撃面での存在感は劣る。ジラーチと比べると、素早さの低さをより高い防御性能で補い、ずっと遅い展開で戦うポケモンだ。通常の対戦では、半減できる攻撃に後出しし、ステルスロックを設置してトリックルームの時間を作る役割に向いている。1匹で相手のチームを倒しきることまで求めると、攻撃89と特攻79が問題の位置をはっきり示している。