デンヂムシ徹底解説
電気を帯びたさなぎ
デンヂムシのデザインは、さなぎの段階にある昆虫と電池をもとにしている。また、触れると電気ショックのような刺激を感じるといわれる、日本の幼虫であるデンキムシも連想させる。節に分かれた体は複数のセルで構成された電池を思わせ、前方にある2本の突起はプラグのように見える。殻は飾りではない。図鑑の説明では、落ち葉の下で食事をするあいだ、自分を守るためのものとして描かれている。
進化系列のデザインを担当したのは有賀ヒトシだ。アゴジムシが幼虫の段階を表し、デンヂムシがエネルギーを蓄え、クワガノンが電気をまとった飛行昆虫へと同じ発想を発展させている。
電池を軸にした名前
日本語名のデンヂムシは、電池と地中にすむ虫のイメージを組み合わせている。「電池」と、地中にいる虫やミミズを指す「地虫」が由来だ。英語名は、電池を充電することに関係する「charge」または「charger」と、昆虫を意味する「bug」を組み合わせている。どちらの名前からも、電気と地中生活の結びつきがはっきり伝わる。
ソード・シールドで加わった変化
デンヂムシは第七世代で初登場し、それ以前の作品では入手できなかった。『ポケットモンスター サン・ムーン』では、クワガノンへの進化に特殊な磁場のある場所でのレベルアップが必要だった。『ポケットモンスター ソード・シールド』からは、かみなりのいしを使うことで別の進化方法も選べるようになり、特定の場所に頼る必要がなくなった。
この変更は、通常のプレイでの育成計画にも影響する。アローラでは、適切な場所に行けるようになるまで進化を待つのが基本だが、後の作品ではかみなりのいしによって手順が簡単になる。進化前のデンヂムシは、バッテリーを維持しつつ、アゴジムシよりも防御寄りの性能を持っている。
遅さをどう活かすか
95の防御と36の素早さの差が、戦い方を決めている。相手より先に動くためのポケモンではなく、場に出て物理技を1発耐え、でんじは、エレキネット、ねばねばネットで試合のテンポを変えるポケモンだ。特殊技のダメージが問題になる場合は、ひかりのかべで役割を広げられる。ボルトチェンジを使えば、長く場に残り続ける必要もない。
特性のバッテリーは、特殊方面で攻撃する味方がいて初めてチームに価値をもたらす。そのため、物理アタッカーを何体も組み合わせると、デンヂムシを採用する主な理由のひとつが薄れてしまう。ダブルバトルでは、味方の保護と素早さ操作によってサポート役をこなせる。シングルバトルでは、耐性と防御だけでは、控えめな火力と遅さを補いきれないことが多い。
アゴジムシと比べると、耐久力とでんきタイプを得る。一方、クワガノンと比べると、攻撃性能と勝負を決める力を失っている。この中間に位置する性能が、常に手持ちに入れるポケモンというより、一時的なサポート役として使われやすい理由だ。