チリーン徹底解説
声に個性のある日本の風鈴
チリーンのデザインは、日本の風鈴である風鈴が出発点になっている。吊り下がった体、垂れ下がる尻尾、頭の吸盤によって、その道具をポケモンの視覚表現に落とし込んでいる。英語名は、鐘の音を意味する「chime」と、「echo」を組み合わせたものだ。日本語名のチリーンは風鈴の音を再現し、風鈴も連想させる。結果として、動物の姿をした生き物ではなく、音を出す道具が生き物になったような存在になっている。空洞の体は、こだまや超音波の理由にもなる。
文化的な要素は音だけにとどまらない。鳴き声で相手を追い払ったり吹き飛ばしたりする図鑑説明は、風鈴を厄よけの道具として結びつけている。一方、長い尻尾には実用的な意味がある。飾りではなく、ぶら下がったまま木の実に手を伸ばすための道具だ。
単独での登場から進化系列へ
チリーンは第3世代で、進化前のいないポケモンとして初登場した。その後、リーシャンという進化前が加わり、大きさの違いを説明するとともに、家族を完全な進化系列にした。夜という条件は、暗がりや風、軒先に吊られて聞こえる音とのつながりを保っている。
覚える技も、次第にサポート寄りになってきた。現行世代では最初からいやしのねがいを覚え、でんじは、めいそう、トリック、ちょうはつ、トリックルームといった道具も得られる。メガシンカすると小さな複製や法具を思わせる要素が加わり、風鈴のモチーフが広がるが、通常の図鑑で扱われるのはエスパータイプのチリーンだ。
特攻95がもたらすもの
対戦では、特攻95という数値から特殊方面で攻めることになる。サイコキネシス、ワイドフォース、サイコショック、エナジーボールはそれぞれ異なる状況に対応し、チームに能力変化が積み重なればアシストパワーも強化される。先手を取って押し切れる素早さはないため、強力な物理技を受けるおそれのない相手に後出しする必要がある。
ふゆうによってじめん技に対して繰り出しやすくなり、ひかりのかべやリフレクターとも相性がいい。でんじはは素早さ不足をある程度補い、トリックルームはその欠点を一時的な長所に変える。いやしのねがいなら、役目を終えたアタッカーを回復できる。ストーリー攻略では、エスパー技と状態異常サポートの組み合わせだけでも多くの戦闘で役立つが、攻撃50のため、すてみタックルは緊急手段であって主軸にはならない。
遅い風鈴の限界
ブーピッグと比べると問題がよくわかる。チリーンはそのライバルより特攻が高い一方、素早さ不足と、安定しない防御面の技構成を補わなければならない。攻撃重視のエスパータイプに対してはサポート性能で勝り、耐久重視のポケモンに対しては、交代を咎めるための物理的な圧力が足りない。
あくタイプにはタイプ一致技を止められ、物理アタッカーには遅いターンを突かれる。ちょうはつを受けると状態異常技を使えず、エスパー技を半減する相手には積み技を使う隙を与えやすい。だからこそ、じめんやかくとうを相手に繰り出し、壁を張り、相手をまひさせるか、トリックルームを準備する役割に絞りたい。相手に元気なあくタイプのアタッカーが残っているなら、サポートなしでサイコキネシスを撃つと、チリーンはただで交代を許してしまう。