ドオー徹底解説
どろの塊のようなイモリ
ドオーの主なモチーフは、皮膚を突き破って肋骨を出し、そこへ毒を塗ることができる両生類、イベリアトゲイモリだ。この防御方法が背中のトゲとどくタイプにつながっている。低いシルエット、茶色い皮膚、柔らかそうな体にはオオサンショウウオやブロブフィッシュの特徴も加わっており、一般的な魚というより泥の塊に見える理由がわかる。
英語名は「土の塊」や「土のかたまり」を意味するclodと、ウパーのもうひとつの進化先であるQuagsireを組み合わせたものだ。両者は進化系統と両生類らしい見た目を共有しているが、ドオーはヌオーのぼんやりした雰囲気を、トゲによる防御へ置き換えている。日本語名のドオーも、ヌオーの日本語名であるヌオーとの音のつながりを残しつつ、土のイメージを加えている。
パルデアの分岐
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で、パルデアのすがたのウパーの進化先として登場した。長年ヌオーにしかつながらなかった系統に、新たな分岐が加わった形だ。単なる別バージョンではなく、みずタイプをどくタイプに変え、じめんタイプを残したうえで、特殊耐久と削りを重視した性能になっている。
第9世代で初登場したため、過去世代との間で変更されてきた歴史はない。知られている技や特性、姿はいずれも登場時点のものだ。ヌオーとの違いで最も目立つのは種族値配分で、ドオーはHPと特防が高い。一方で素早さは非常に低く、物理耐久も万能な壁として扱えるほどではない。
チームでの役割
シングルバトルでは、てんねんとHP130の組み合わせによって、能力を上げてくる特殊アタッカーに繰り出しやすい。ちょすいは一部の対面を完全に変える。通常なら交代を強いられるみずタイプの攻撃を、HP回復に変えられるからだ。チームの脅威に応じて、この防御性能とてんねんのどちらを選ぶか決めたい。
耐久型なら、どくどく、まもる、じしんを組み合わせてターンを稼ぎ、相手の交代をけん制できる。相手がじめんタイプのポケモンを頻繁に出し入れするなら、どくびしも有効だ。ドわすれは特殊方面を補強し、じしんは構成が削りに偏りすぎるのを防ぐ。まきびしやステルスロックを加えれば設置役としての価値も上がるが、受け身の技を詰め込みすぎると防御60が足を引っ張る。
繰り出すのが遅いぶん、みず、こおり、エスパー、そして物理のじめん技という4つの問題をカバーしなければならない。ひこうタイプやふゆうを持つ味方はじめん対策になり、こおりへの安定した受け先があれば、削り始める前に倒されにくくなる。ちょうはつを使う相手や、どくを無効にする相手の前にも居座らないほうがいい。そうした相手には、行動が読まれやすくなる。
ヌオーとの違い
ヌオーはみずタイプとの結びつきが強く、ドオーと同じくてんねんも使える。一方、ドオーはどくタイプへの耐性とどくびしによる圧力を得ている。その代わり、もとのみずタイプがもたらしていた守りやすさを失い、みず技を受ける立場になった。ただし、ちょすいを選べばその弱点を補える。この緊張関係が役割を決めている。なんとなく出すのではなく、特性と耐性の配分が相手にかみ合う場面で繰り出すポケモンだ。
見た目にも、役割と一致した特徴がある。一見すると動かず不器用そうだが、トゲによって接触攻撃をリスクに変え、重そうな体には見た目からは想像しにくいHPが蓄えられている。