デスカーン徹底解説
自分の腕を持つ石棺
デザインの元になっているのは、古代エジプトの石棺や葬送品で、ツタンカーメンに結びつく棺や仮面との関連も明確だ。長方形の形、金色の仕上げ、側面から伸びる黒い腕によって、封印された墓という発想をポケモンのビジュアルへ落とし込んでいる。図鑑の説明はそこに呪いを加える。棺と勘違いした者は中へ取り込まれ、近づきすぎた者はミイラにされるのだ。
英語名のCofagrigusは、coffin(棺)とsarcophagus(石棺)を組み合わせたもの。日本語名のデスカーンは、death(死)と、棺を意味する日本語の「かん」を合わせている。死とのつながりは名前だけにとどまらず、ミイラによって、このポケモンとの接触が超自然的な感染へと変わる。
デスマス、デスバーンと並んだ立ち位置
デスマスは、葬送用の仮面に結びついた霊の姿を保っている。レベル34になると、より大きく実体的な姿へ進化し、石棺のモチーフが前面に出る。デスバーンは系列のもうひとつの方向性を示す進化先で、エジプト風の要素を強めるのではなく、ルーンに覆われた古代の遺物という発想を発展させている。どちらの分岐も死とアイデンティティの喪失につながっているが、デスカーンのほうが棺の罠という解釈を直接的に表している。
2種類の進化先には、数値面でも目立つ違いがある。デスカーンはぼうぎょに145、 とくこうに95の種族値を集中させているのに対し、デスバーンはその優先順位が逆になる。そのためデスカーンは、特殊技でときどき圧力をかける物理受けとして見るほうが自然で、物理アタッカーではない。
トリックルームが試合を変えるとき
すばやさ30では、通常の条件で攻撃的な相手と競うことはできない。トリックルームは数ターンのあいだこの問題を補い、わるだくみを使う隙をつくる。実戦での流れは、まず止められる物理アタッカーに繰り出し、状況が許せばトリックルームを展開し、その後わるだくみの上昇を利用してシャドーボールで攻撃するというものだ。
おにびは、接触に依存する物理アタッカーのダメージを削るのに役立つ。ミイラはさらに別の罰を加える。相手がデスカーンに触れると、相手は自分の特性を失い、ミイラを得る。それでも強力な特殊技は避けたい。HP58では耐久を十分に活かせず、普段使う技の中に直接回復できる手段もないからだ。
安定しなかった対戦での歩み
昔の世代ではRUで注目を集めたほか、UUでも扱われ、トリックルーム、わるだくみ、シャドーボールを使う型が存在した。当時のガイドでは、物理受け、こうそくスピンを妨害する役、特性に依存するアタッカーへの対策として使われていた。問題は一貫していた。いったん弱らせれば、すばやさの低さ、あくとゴーストへの弱点、補助技への依存によって、簡単にとどめを刺されてしまうのだ。
第8世代でデスバーンが加わり、系列には2つ目の進化先が生まれたが、デスカーンの個性が置き換えられたわけではない。石棺の姿は、とくこう、ミイラ、そしてトリックルームによる行動順の逆転と結びついた分岐のままだ。野生で持っている道具ののろいのおふだも、この種族を特徴づける葬送的な雰囲気とのつながりを保っている。