コスモウム徹底解説
まだ形を持たない星
デザインの出発点は原始星で、安定した恒星になる前に物質を集め続ける天体を表している。金色の殻はさなぎとして機能し、黒いコアは極端に圧縮された物質を思わせる。その組み合わせが、目立った特徴のひとつである「高さ0.1 mなのに重さ999.9 kg」という不思議な比率につながっている。圧縮された天体というイメージにも合っている。
正面から見たシルエットは閉じた目を思わせ、コアの周囲には太陽の光線や三日月を連想させる形がある。まだ太陽や月そのものを表しているわけではなく、進化のときに分かれる2つの可能性を内包している。英語名とスペイン語名のCosmoemは、「cosmos」と「ovum」または「embryo」を組み合わせたもの。日本語のコスモウムは、Cosmovumとローマ字表記でき、「cosmos」と「ovum」のつながりがよりはっきり残っている。
アローラのまゆ
コスモウムは第7世代で、コスモッグ系統の中間段階として登場した。『ポケットモンスター サン・ムーン』では、リーリエとほしぐもちゃんの物語がこの進化系統を冒険の中心に置いている。一見すると弱そうなポケモンが、2体の主要な伝説のポケモンのどちらかへつながる種だった。この物語上の見せ方が、いしやなつき度、通信交換で進化する普通のポケモンとは違う理由を説明している。
その後の図鑑説明でも、同じイメージが崩されることはなかった。体の熱や、古くは「星のまゆ」と呼ばれていたことを説明するものがあり、別の説明ではエネルギーの蓄積、光の吸収、殻の硬さに焦点が当てられている。第8世代では新しい図鑑説明が追加され、進化の準備をする動かないポケモンという立ち位置も保たれた。第9世代には独自の図鑑説明がない。
防御しても出口はない
ぼうぎょ131、とくぼう131という配分は耐久を意識して設計されたように見えるが、HP43のせいで最終的な耐久力は大きく下がる。さらに、こうげき29、とくこう29、すばやさ37では、攻撃やダメージ、素早さでそのもろさを補えない。がんじょうは一撃で倒される攻撃から守るだけで、連続攻撃や削りには対応できない。
コスモパワーは耐久を高める唯一の手段だ。テレポートを使えれば安全に退けるものの、攻撃的な相手の前に出す問題までは解決しない。通常の対戦では、受け身な相手や、むし、ゴースト、あくの弱点を突けない攻撃に対して時間を稼ぐことはできる。進化できるようになったら、チームに残しておく理由は薄い。系統の本当の強みを受け取るのは、ソルガレオかルナアーラだ。
太陽になる前か月になる前か
レベル53での進化は、単なるステータス上昇ではない。タイプも役割も異なる2つの分岐から選ぶことになる。ソルガレオはエスパータイプに鋼タイプを加え、ルナアーラはゴーストタイプを加える。進化を遅らせるだけの攻撃技をコスモウムが覚えるわけではないため、進化させるタイミングは重要だ。
重さ999.9 kgと球体の姿によって、この種は意図的な矛盾を生み出している。占める空間はごく小さいのに、質量は桁外れに大きい。空気中のちりもすばやく吸収し、変身を完成させるためのエネルギーを集中させていく。ほとんど動かないさなぎというイメージは飾りではなく、その行動や技、コスモッグ系統の中での立ち位置まで決めている。