ケケンカニ徹底解説
雪のカニとボクシンググローブ
モチーフは甲殻類だが、一般的な海のカニではない。主な元ネタは、脚が毛で覆われたイエティクラブと、ズワイガニやケガニだ。直立した姿勢、大きすぎるハサミ、ボクサーのような態度によって、その動物的な土台を戦闘用の生き物へと変えている。ハサミの模様も金属製のナックルを思わせ、てつのこぶしとのつながりが感じられる。
英語名はcrab(カニ)とabominable snowman(雪男)を組み合わせたもの。日本語名のケケンカニは、ケガニとけんかを組み合わせている。食べ物にまつわる要素は図鑑説明にも登場し、切り離されたハサミは美味とされている。
進化条件になった山
『ポケットモンスター サン・ムーン』『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』では、ラナキラマウンテンでレベルアップすることが進化条件だった。そこは単なる雪景色の舞台ではなく、アローラの頂上にあたる場所だ。そのため、最終進化までのマケンカニの登りは、極端な気候に耐えるための試練として描かれていた。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』からは、こおりのいしを使う条件に変わった。
第七世代で登場し、第八世代のどのゲームにも登場しなかった。パルデアでは入手方法がより直接的になり、物理攻撃を得意とする鈍足アタッカーという個性も維持された。アイスハンマーは第七世代と第八世代では専用技だったが、第九世代ではほかのポケモンも覚えられるようになり、専用技ではなくなった。
道を開けてもらう必要があるアタッカー
種族値の配分を見ると、見た目よりも動かし方がよくわかる。攻撃 132によってインファイト、アイスハンマー、じしんなどを強力に使え、HP 97のおかげで攻撃を一度耐える余地もある。素早さ 43では通常のアタッカーとして動かすのが難しく、トリックルームの外ではほとんどの攻撃役に先手を取られるうえ、ほのお、ひこう、エスパー、はがね、かくとう、フェアリーへの弱点も突かれてしまう。
多くの場合、優先したい特性はてつのこぶしだ。れいとうパンチとドレインパンチが強化され、後者では与えたダメージの一部を回復できる。攻撃技中心の構成なら、こおりとかくとうに耐性を持つはがねタイプへの対策としてじしんを加えられるが、相手の交代をしっかり読まなければならない。ほのおのからだ、やけど、攻撃を下げる技は深刻な問題になるが、かいりきバサミなら攻撃の低下を防げる。
通常の対戦では、味方がすでに素早い相手を倒している状態で動かすと力を発揮しやすい。弱点を突かれない特定の特殊技には比較的安全に繰り出せ、トリックルームの1ターンを利用して鈍足の相手をまとめて崩すこともできる。ひこうタイプやフェアリータイプの使い手の前には出さないほうがいい。防御系の種族値では、この弱点の組み合わせを補えない。
ハサミを持つポケモンたち
キングラーやシザリガーとはシルエットが似ているが、方向性は異なる。キングラーは海のカニとの結びつきがより直接的で、シザリガーは水生の甲殻類が持つ攻撃性を強調している。ケケンカニはそのハサミを雪山へ持ち込み、氷の武器に変え、さらにボクサーのような姿勢を加えた。
メガケケンカニは、ハサミに積もった氷とより重量感のある存在感によって、このコンセプトをさらに広げている。とはいえ、通常の姿だけでも中心にある発想ははっきりしている。海岸を山に置き換え、普通の打撃を雪を動かすほどのパンチに変えたカニだ。