シズクモ徹底解説
水のヘルメットをかぶったクモ
デザインの出発点はミズグモで、潜水鐘グモとも呼ばれるクモだ。自然界のミズグモは空気を集め、水中で使えるようにためている。シズクモはそのイメージを反転させ、水中で呼吸しながら、陸上で活動するために泡を運ぶ。水中に沈んだ頭部は潜水ヘルメットを思わせ、脚とシルエットは一目でクモとわかる形を保っている。全体の形にバクテリオファージの影響がある可能性も指摘されているが、主なモチーフは水生のクモだ。
英語名は「dew(露)」と「spider(クモ)」を組み合わせたもの。日本語名のシズクモは「しずく」と「くも」を組み合わせ、ミズグモにもつながる名前になっている。泡は飾りではない。体の構造や水の外での移動方法、そして他の個体との関わり方まで決める、このポケモンの中心的な要素だ。
泡で決まる序列
図鑑の説明では、縄張り意識の強さがわかりやすく描かれている。2匹は必ずしも技で争うわけではなく、泡を比べて小さいほうが道を譲る。この設定によって、泡が頭全体を覆い、大きさが社会的な価値を持つ理由も見えてくる。また、物理攻撃が水で守られた頭部による頭突きとして表現されることにもつながっている。
進化系統では、水の外へ出るために呼吸できる空気を持ち運ぶ小さな生き物から、同じ発想をはるかに大きな規模へ広げたオニシズクモへ進化する。別の生き物へ置き換えるのではなく、コンセプトの土台を保ったまま発展させている。
アローラの後に変わったこと
シズクモは第七世代で登場した。最初の作品ではレベルごとの技構成が異なり、最初はあわとみずあそびを覚え、序盤でクモのすきを習得し、その後にアクアブレイクへ到達した。第八世代では習得順が整理され、みずでっぽうとまとわりつくから始まり、進行に合わせてずつきやみずびたしを覚え、複数の技の習得レベルも変更された。現在の構成では、レベル36でとびかかる、レベル40でアクアブレイク、レベル44できゅうけつを覚える。
タマゴわざも変わった。第七世代ではタマゴわざにオーロラビームが含まれていたが、後の世代ではたくわえる、はきだす、パワーシェア、ねばねばネットが残っている。ねばねばネットを使える点は特に重要で、先手を取って攻撃することに頼らず、未進化ポケモンでもサポート役を担える。
冒険中の活かし方
通常の冒険では、すいほうのおかげでほのおタイプの相手がそれほど怖くなく、やけどで物理技を台無しにされることもない。みず、かくとう、じめんに頼る相手へ繰り出すとよいが、でんき、ひこう、いわタイプの技には常に注意したい。特防72のおかげで、弱点を突かれない特殊技なら受けやすいものの、HP38では何度も攻撃を受け続けることはできない。
みずでっぽうとバブルこうせんが序盤を支える。後半になると、アクアブレイクでより威力の高いみずタイプの攻撃ができ、きゅうけつでHPを回復し、かみくだくで主力技が効きにくい相手にも攻撃できる。素早さ27には頼れないため、たいてい後攻になる。素早い相手との交換を制するより、アクアリングやまもるで1ターン長く粘りたい場面のほうが向いている。
コンセプトと役割の面で最も近いのは、早い段階で進化するもう1種の水・むしポケモン、アメタマだ。シズクモは水面を移動する身軽さを、より高い耐久性と身を守る泡に置き換えている。そして進化後は、その発想をさらに押し進め、泡そのものをオニシズクモの中心的な特徴にしている。