タイレーツ徹底解説
蛹のような姿をしたファランクス
タイレーツは、ひとつのポケモンとして機能する兵士の部隊を表している。そのイメージの土台にあるのは軍隊のファランクスで、戦士たちが密集し、盾で身を守りながら、ひとつの命令のもとで連携する。個体が1列に並ぶ姿はイモムシも思わせ、兜や赤いとさかは古代ギリシャの戦士を連想させる。写実的な動物を目指したデザインではない。隊形のなかで、それぞれのメンバーに役割があることが魅力になっている。
英語名は「phalanx」をもとに、つながっているという意味を加えたものだ。日本語の タイレーツ は、列や軍隊の隊形に関係する たいれつ にもとづいている。じんけいポケモンという分類は、具体的なポーズを説明しているのではなく、戦闘に出る完全な部隊そのものがポケモンであることを示している。
デビューからメガシンカへ
タイレーツは第8世代のガラル地方で初登場し、最初から集団で戦うポケモンとして特徴づけられていた。進化系列に後続の段階は追加されていない。現在の種族データにはメガタイレーツも登場し、軍事部隊というコンセプトを保ったまま、メンバーがひとつの構造体として動くという発想をさらに押し進めている。
メガシンカの登場によって種族の表現は広がったが、根本は変わっていない。進化せず、かくとうタイプのままで、連携を中心に成り立つポケモンだ。パルデアでの後の登場でも、個体として捉え直すのではなく、同じデザインコンセプトが維持されている。
物理寄りの一列と、特殊面のひび
タマタマとは、複数の小さな生き物をひとつの種族として扱う点が共通している。違いは行動にあり、タマタマが集まった集団として描かれるのに対し、タイレーツはリーダーと部下からなる、上下関係のある隊形を組む。また、レアコイルも思わせるが、タイレーツの結びつきは磁力ではなく、命令と規律によるものだ。
戦闘では、純粋な防御隊形というより物理アタッカーに近い。こうげきとぼうぎょは100だが、HPととくぼうは控えめだ。そのため、特殊技の前に居座ったり、何ターンも壁役として使ったりするのは向いていない。かくとうタイプによっていわやあくには圧力をかけられるが、フェアリー、ひこう、エスパー技を受けたら引く必要がある。
チームのなかでの役割
優先したい特性はまけんきだ。相手に能力を下げられれば、こうげき上昇によって、その後のターンのダメージが変わることがある。相手に能力を下げる技を使わせる構築や、相手を倒したあとに安全に繰り出せる展開を用意できるチームで、タイレーツは特に力を発揮する。
はいすいのじんはすべての能力を上げる代わりに、交代できなくする。使うタイミングの見極めが重要で、特殊方面から攻撃できる相手や、状態異常を与えられる相手、弱点を突いて反撃できる相手の前で使うと、準備が無駄になりやすい。ビルドアップはよりリスクの少ない選択肢で、てっぺきは物理面を強化し、ボディプレスをさらに活かせる。
インファイトは、全体的な種族値に足りない火力を補う。メガホーンとであいがしらを加えることで、攻撃の選択肢も広がる。フェアリー、ひこう、エスパータイプへの対策を残しているチームを相手にするなら、タイレーツには直接的なサポートが必要だ。中盤に繰り出して交代を誘い、そのターンに攻撃するか、次の隊形を整える流れができると役割がはっきりする。