トリトドン徹底解説
軟体動物の痕跡を残すウミウシ
デザインの元になっているのはウミウシで、特に身を守るために紫色の分泌液を出す生物の特徴が取り入れられている。丸みを帯びた体、上部を覆う外套膜、背中の突起によって実在する軟体動物の要素を表現しつつ、そのままの再現にはしていない。複数のポケモンずかんの記述に登場する昔の殻は、現在の姿に化石生物らしい説明を加えている。殻は失われたが、背中には丈夫な板が残ったというわけだ。
英語名のGastrodonは、腹足類を意味する語と、学名でよく使われ、ギリシャ語の「歯」と結びつく接尾辞「-don」を組み合わせたもの。日本語名のトリトドンはTritodonとローマ字表記でき、「-don」の語尾を残しつつ、トリトンや一部の海産軟体動物を思わせる要素も含んでいる。付属肢の形からは、ずっしりした、ほとんど雄牛のような海の生き物という印象にもつながる。
シンオウからパルデアへ
トリトドンは第四世代でカラナクシとともに初登場した。それ以来、ポケモンずかんでは紫色の分泌液、再生、プランクトンを主食とすること、殻を失ったことの4点が繰り返し語られている。後の世代では、体の頑丈さ、残されたぬめり、ときどき陸上にも現れることなどの情報が加わった。
よびみずの役割も変わった。初登場時はみず技を引き寄せるだけだったが、その後は無効化し、とくこうを上げるようになった。この調整によって、状況次第で役立つ特性が、現在の防御的な運用の土台へと変わった。見た目のシルエットも第六世代以前に変更されたが、ウミウシというコンセプトは変わっていない。
ほかのみず・じめんと比べた強み
ラグラージ、ヌオー、ガマゲロゲなどとタイプの組み合わせが同じだが、役割まで同じではない。ラグラージは物理面でより圧力をかけやすいのに対し、トリトドンはHP、回復技、よびみずによってみず技を受けに出せる点に価値が集まっている。ヌオーは相手の能力変化を無視する特性という別の方向性で競合し、ガマゲロゲはすばやさや技構成が異なる。
トリトドンの配分は長期戦向きで、HP111、とくぼう82、じこさいせいを備えている。ぼうぎょ68なので物理アタッカーへの後出しは見極める必要があり、すばやさ39のためほとんどの場合で後手に回る。主力アタッカーとして使うより、耐性や無効を利用して繰り出し、じこさいせいで立て直し、だくりゅう、だいちのちから、まきびしで交代をとがめる運用のほうが向いている。
ターンを無駄にせず活躍させるには
最初の原則は、くさ技から遠ざけておくこと。よびみずによって自分や味方に向けられたみず技を利用できるが、同じ相手が放つくさタイプのサブウェポンまでは防げない。相手がでんきやみずに依存しているなら、トリトドンで流れを止めて交代を迫れる。そのターンにじこさいせいを使う、まきびしをまく、だいちのちからで攻撃するといった行動が可能になる。
どく状態にしたり、安心して能力を上げたりできる相手の前に居座るのは避けたい。こうげきが低く、すばやさも遅いため主導権を失いやすく、強力な物理技を受け続けるとHPを活かす前に消耗してしまう。すなのちからは砂嵐の中で攻撃面を伸ばせるが、防御的な用途の大半では、やはりよびみずが軸になる。