グライオン徹底解説
滑空を覚えたサソリ
グライオンはグライガーと同じ土台を持ちながら、地をはう生き物から空中の捕食者へと姿を変えている。体には甲殻とハサミが残る一方、腕から離れた翼とキバによって吸血コウモリに近づいている。トゲで終わる尻尾は毒針を思わせるが、もう一対のキバと見ることもできる。この組み合わせがあるからこそ、文字どおりのサソリにしなくても、分類の「キバさそりポケモン」として成立している。
英語名のGliscorと日本語名のグライオンは、滑空とサソリの組み合わせを示している。空中の要素は、図鑑の説明にも合っている。逆さまになって待ち、獲物の上に落ち、音を立てずに飛ぶ。そのうちの一つでは、翼をはばたかせず、気流を利用して長い距離を移動できるとも説明されている。
控えめなデビューから便利な駒へ
グライオンは第四世代で、以前から登場していた種族の進化形として初登場した。初期の作品から、じめん・ひこうタイプ、防御125、じしん、どくどく、まもる、ステルスロック、はたきおとすといった技へのアクセスで目立っていた。特性のポイズンヒールは、時間がたつにつれてよりはっきりした個性になった。どく状態は単なる不利ではなく、回復手段へと変わったからだ。
世代が変わるにつれて、使える技は変化している。スカーレット・バイオレットでは、まきびし、どくびし、はたきおとす、どくどく、とんぼがえり、つるぎのまいを残しているが、はねやすめは使えなくなり、即時回復は弱まった。その一方で、ポイズンヒールとまもるは健在なので、道具を発動させて受動的な回復のターンを稼げる。現行世代でも、設置技、はたきおとす、つるぎのまいを使うアタッカーとしてOUで存在感を保っている。
近いポケモンとの比較
グライガーと比べると、グライオンは大きくなり、攻撃面の数値が上がり、こなせる役割も増えている。グライガーにも防御面で有用な特徴はあるが、進化後のほうが攻撃95と素早さ95によって相手に圧力をかけやすい。どちらもじめん・ひこうタイプなので、こおり技に弱いという共通の問題を抱えている。
また、第四世代で登場し、以前の姿から「razor」を含む道具を使い、夜に進化するという点で、マニューラともデザインと進化のパターンを共有している。対戦での方向性は異なる。マニューラが素早さと即効性の高い火力を求めるのに対して、グライオンは消耗戦、交代の強制、回復によって勝ち筋を作る。
活かし方
最も安定した構成は、どくどくだまでポイズンヒールを発動させ、可能なら最初のターンをまもることから始まる。その後もまもるでHPを回復しながら、相手がこだわり系の技を使うのか、交代するのか、積み技を使おうとしているのかを見られる。はたきおとすは道具に依存する相手に刺さり、どくどくは受けポケモンや防御的な交代先に消耗のカウントを進める。チームが主導権を保ちたいなら、とんぼがえりを優先したい。
つるぎのまいを採用すると、方向性が変わる。すぐにはグライオンを脅かせない相手の前で使い、じしんと、はたきおとすやからげんきなどの補完技を組み合わせるとよい。まきびしやステルスロックは交代を何度も強いるチームと相性がよく、どくびしは消耗を加えられる。ただし、どくが効かないポケモンや、設置技を除去できる相手がいると価値は下がる。
こおり技の前に居座ったり、特防75だけを頼りに強力な特殊アタッカーと対面させたりするのは避けたい。みずタイプのポケモンにも交代を迫られやすく、ポイズンヒールを発動する前にどくどくだまを失うと、耐久力の大部分が崩れる。グライオンが最も動きやすくなるのは、相手がこおりとみずへの対策をすでに見せたあとだ。そうなれば、まもる、設置技、はたきおとすで消耗を積み重ねる余地が大きくなる。