ゴビット徹底解説
泥と粘土、そして小さな名前
ゴビットは進化後のゴルーグとともに、ジェームス・ターナーがデザインした。元になっているのは、泥から作られたユダヤの伝承上の人工生命体、ゴーレムだ。さらに、テラコッタ製の葬送用人形である埴輪の特徴も取り入れている。体が小さく丸みを帯びていることから、別の見方もできる。手足を折りたたむと砲弾を思わせる姿になり、その発想は、砲兵用の機械を連想させるシルエットを持つゴルーグのデザインでより強く表れている。
英語名のGolettは、「golem」に小ささを表す接尾辞「-let」を組み合わせたものだ。日本語名のGobitはゴビットと表記され、「golem」の語根に、小さいサイズを指す「bit」を加えている。また、小人を意味する日本語のkobito、つまり「こびと」とも重なる。スペイン語版では、Golettという名前がそのまま使われている。
新しい命令を受けない召使い
この種族は第5世代、イッシュ地方で初登場した。それ以来、未知のエネルギー源によって動き続ける古代の自動人形という設定が保たれている。ポケモン図鑑には、あまり見られない細かな情報も加えられている。なかには、目的もわからないまま大きな岩を並べる個体がいるというのだ。攻撃的な行動として描かれているのではなく、受け継いだ作業を続けているだけなのである。
後の世代でも、レベル43で進化する点と、物理技を中心とした基本的な技構成は変わらなかった。第9世代ではリフレクターを使えるようになり、サポートの選択肢が広がったものの、基本的な立ち位置は変わっていない。野生の個体がひかりのねんどを持っていることがあるのも、その設定とは対照的だ。この道具は防御用の壁と結びついているが、ゴビットは複数の壁を張って戦うポケモンではない。
リトルカップでの居場所
競技面で記録に残るもっとも適した環境は、リトルカップだ。レベルの低いバトルでは、複数の無効タイプが実際に大きな意味を持ち、てつのこぶしで強化されたこうげき74も無視できないダメージを出せる。ステルスロックで交代に負担をかけられ、ゴーストタイプによって相手のこうそくスピンも防げる。じしんは、いわ、はがね、どくタイプに圧力をかけ、ドレインパンチはあくタイプにダメージを与えながらHPを回復できる。れいとうパンチは、くさやひこうタイプの相手への対策になる。
繰り出すタイミングには注意が必要だ。強力なみず、くさ、こおり、あく、ゴースト技を受ける場面では出すべきではなく、すばやさ35のため、多くの相手に先手を取られる。はたきおとすも問題で、必要な道具を失ってしまうからだ。役割は、無効化または半減できる技に合わせて出し、ステルスロックをまいて、そのターンに攻撃することにある。試合中ずっと相手の前に居座るポケモンではない。
違いを際立たせる似たポケモン
ゴビットはデスマスとゴーストタイプや古代を思わせる外見を共有しているが、方向性は異なる。デスマスは防御や状態異常を重視するのに対し、ゴビットはじめんといわ技で物理ダメージを狙う。ほかのステルスロック使いと比べると、便利な無効タイプを持つ一方、すばやさと防御面の安定性では劣る。
ゴルーグへの進化では、機械仕掛けのゴーレムという発想を残したまま、その規模が変わる。体は大きくなり、シルエットは重厚になり、奉仕のために作られた機械というイメージがより明確になる。ゴビットは、その設計がまだ完成していない段階を表している。数千年前の命令を保ち、エネルギーがいつまで続くのか誰にもわからないまま動き続ける、小さな粘土の人形だ。