ヒメンカ徹底解説
風に回る綿花の花
デザインの元になっているのは植物全体ではなく、綿花の花だ。緑色の体が土台になり、花びらが上部にボリュームを集めている。空中を漂う綿毛や綿の球のイメージにも合う。さらに図鑑では、そよ風に運ばれて回りながら歌うという特徴が加えられている。この組み合わせによって、普通の地上生物というより、踊る花に近い印象の行動になっている。
英語名は、ワタ属を指す Gossypium と、フランス語で「花」を意味する fleur を組み合わせたもの。日本語名の ヒメンカ は、「姫」や「小さいもの」を表す hime、綿花を意味する menka、「花」を表す ka を組み合わせた名前と考えられる。小ささと植物らしさという、デザインの2つの要素を残している。
2段階だけの進化ライン
ヒメンカ は第8世代で登場し、最初から *ワタシラガ* の進化前として作られた。レベル20での進化後もタイプは変わらないが、見た目の受ける印象は大きく変わる。ヒメンカ が閉じた軽やかな花に見えるのに対し、ワタシラガ は開花し、綿毛に覆われた植物を表している。
それ以前の世代には存在せず、次の世代では登場しない。そのため、ゲーム内での歴史は『ソード・シールド』と、その関連コンテンツに集中している。分類のはなかざりポケモンは、ほかの進化ラインの花を題材にしたポケモンともつながるが、1本脚の体と花びらの頭部によって、ロズレイド や ドレディア のような人型に近いデザインとは区別されている。
リトルカップでできること
素早さ種族値10は、くさタイプのポケモンでは *テッシード* と並んで最低値だ。これは単独の欠点ではなく、毎ターンの判断を左右する。後攻になる前提で動き、みず、じめん、でんき技に後出しして、こうそくスピンを使うか、ねむりごなを撒くといい。さいせいりょくによって交代の負担が減るため、ほのお、ひこう、こおり、むし、どくタイプの脅威が現れたら、無理に場に残る必要はない。
実用的な構成は、こうそくスピン、ギガドレイン、ねむりごな、こうごうせいの組み合わせだ。こうそくスピンでわなを除去し、ギガドレインで完全な置物になるのを防ぐ。ねむりごなは交代の隙を作り、こうごうせいは攻撃せずにHPを回復できる。常に消耗させたいなら、こうごうせいをやどりぎのタネに替えてもいい。直接攻撃を受ける想定ならわたげにも意味があるが、長期戦で交代を繰り返すならさいせいりょくのほうが安定して役立つ。
小さな体が抱える限界
問題は、攻撃40と特攻40が、威力の高い技を活かせる水準にないことだ。リーフストームは威力130に達するものの、ヒメンカを信頼できるアタッカーには変えられない。ハイパーボイスとエナジーボールも威力90だが、耐性を持つ相手へのダメージはやはり控えめだ。このポケモンは、ねむりごなや状態異常による妨害、わなの除去を相手に意識させることで力を発揮する。
通常プレイでは、進化前のままでも役割を持てる。特にガラルの進化ラインを完成させたいときや、非常に遅い防御寄りのポケモンを試したいときに向いている。レベル20に到達すれば、ワタシラガがその役割を引き継ぎ、1本の脚で回る小さな花のシルエットとは別の姿になる。