サワムラー徹底解説
格闘技由来の2つの姓
英語名は、hit、mon、そしてブルース・リーに由来するLeeを組み合わせた、わかりやすい造語だ。日本語名のサワムラーは別の人物を指している。1960年代から1970年代にかけて大きな存在感を持った、日本人キックボクサーの沢村忠だ。どちらも脚を使う人物が元ネタなので、この区別には意味がある。フランス語名のKickleeは、2つの発想を隠さず混ぜている。
この仕掛けは相方にも繰り返されるが、そちらの元ネタは蹴り手ではなくボクサーだ。カントーの図鑑番号で連続する2匹の背後に、実在した2人のアスリートがいる。
道場から能力値の仕組みへ
『ポケットモンスター 赤・緑』と『青』では、野生で捕まえるものではなかった。ヤマブキシティの格闘道場の師範を倒すと、これとエビワラーのどちらか1匹を選べた。やり直しのきかない、当時としては数少ない選択のひとつで、しかも手持ちが固まり、判断材料も少ないゲーム中盤に置かれていた。
第2世代で、その仕組みは完全に変わった。バルキーによって、メニューでの選択は数値条件に置き換えられ、進化先も3つになった。今ではレベル20になる瞬間に2つの能力値を比べて決まり、わかっている人なら、先にえいようドリンクなどで調整して結果を誘導できる。
ひっそり変わったのが、とくしゅの配分だ。第1世代では、攻撃と防御を兼ねる単一のとくしゅが35しかなかった。文字どおり、特殊技には紙切れ同然だった。能力値が分割されると、特防は110まで上がり、特攻は35のままになった。ある日を境に、10まんボルトで倒される側から耐える側になったわけだ。
すてみと、外したときの代償
すてみは、第五世代で他のポケモンにも配られるまで、しばらくサワムラー専用の特性だった。技構成との相性は抜群で、とびひざげり以外にも、技マシンですてみタックルやとっしんを覚え、がむしゃらにもアクセスできる。がむしゃらは相手のHPを自分のHPと同じにする技だ。
この技構成の問題は算数にある。特性で強化された威力130の技は、耐えられない相手ならほとんど何でも消し飛ばす。しかし外せば自分のHPを失い、HP50、防御53では2回分を支払う余裕がない。相手がまもるを使うなら、計算は完全に赤字になる。安全な代案であるレベル36のインファイトは、外すリスクをなくす代わりに防御をどんどん下げる。この体では、名前が違うだけで同じ問題だ。
残るのは穴埋め技だが、ここは率直に言っておきたい。レベル32のメガトンキックとレベル50のかかとおとしは、どちらも威力120。しかし、主要な2つの技ですでに対応できること以外、特に何も足してくれない。レベル21のワイドガードは中間の技リストではいちばん役立つ部類で、ダブルバトルでは全体攻撃から味方全員を守れる。
実際に何に使えるか
カントーのもう1匹のかくとう単タイプであるカイリキーと比べると、違いは耐久力にある。あちらは攻撃を受けられるが、こちらは一発も受けられない。実戦的には、何かが倒れたあとに繰り出すべきで、ターンの途中で交代させるポケモンではない。
倒すと攻撃の努力値を2ポイント得られるので、物理アタッカーの育成用ストップとしても使える。現在の基礎経験値は159。第5世代で全体的な調整が入る前はもっと低く、そのときに増えた。