テツノイバラ徹底解説
バンギラスを工場に通したような姿
テツノイバラのデザインはバンギラスを出発点にしているが、単純に鎧を着せただけではない。その体は怪獣映画に登場する巨大な生物を思わせるメカニカルな怪獣へと発想を広げ、プレートやトゲ、電気部品を備えた機械として再構成されている。そのつながりは、有機的なシルエットの土台になったバンギラスと比べるとわかりやすい。二足歩行の捕食者らしい存在感は残しつつ、爬虫類の質感をより硬質で人工的な構造に置き換えている。
英語名のIron Thornsは、文字どおり「鉄のトゲ」を意味する。日本語名のテツノイバラも同じ発想で、テツノは鉄を、イバラはトゲやいばらを指している。テツノイバラは金属の体表を表すだけでなく、突起が生み出す危険な印象もそのまま名前にしている。
2度目の人生を持たないデビュー
テツノイバラは第9世代で、未来のパラドックスポケモンとともに登場した。進化前も進化後も存在せず、その種だけで系列が完結している。この構造はバンギラスとは異なり、またナットレイのような機械的なポケモンとも違う。どちらも金属とトゲを思わせる外見だが、テツノイバラはいわ・でんきタイプのアタッカーであり、くさ・はがねタイプの防御型ではない。
登場する世代が短いのは、『ポケットモンスター スカーレット』と『ポケットモンスター バイオレット』にしか存在しないためだ。これらのゲームでは、早期のアップデートで、ねごとを覚えられなかった不具合が修正された。進化やリージョンフォーム、種としての個性を変える恒久的な変身は追加されていない。
すばやさの問題
対戦では、134のこうげきを生かした物理型を組みたくなる。りゅうのまいは72のすばやさを補う最もわかりやすい手段だが、すばやさを1段階上げただけでは、攻撃的な相手に先手を取れないことも多い。チームですでにエレキフィールドを使っているか、ターンを消費せずにブーストエナジーで特性を発動できる場合に、クォークチャージはより使いやすくなる。つるぎのまいなら火力をさらに伸ばせるが、すばやさの問題は残ったままだ。
技のレパートリーは複数の役割に対応している。ワイルドボルトは威力の高いでんきタイプ一致技で、ストーンエッジはひこうやほのおを狙え、じしんは他の技では出てきやすい相手をけん制できる。ステルスロックやまきびしがあれば、安全に攻撃できる場面がないときでも貢献できる。ボルトチェンジは主導権を維持するのに便利だが、とくこうは70なので、ダメージは二の次になる。
いつ場に出すか
じめん技を使える相手がいるチームに対して、序盤から出すのは避けたい。いわ・でんきタイプによって、ひこう・ほのお・でんきの一部の技には後出しできるが、相手に元気なじめんタイプが残っていると、その利点は消えてしまう。また、回復手段がないため何度も交代を繰り返すのも危険だ。場に出るたびに、りゅうのまいを使ったりクォークチャージを生かしたりするための余裕が削られていく。
最も動きやすいのは、じめんタイプの相手や、よりすばやいポケモンを倒すか削ったあとだ。通常の対戦では、ステルスロックをまいてから圧力をかける中盤の物理アタッカーとしても、無料の1ターンを得て終盤の全抜きを狙うポケモンとしても使える。対戦環境では、ブーストエナジー、エレキフィールドのサポート、テラスタルによって弱点を補うチームで採用される余地があるが、それでも効果抜群の攻撃で倒されないための支援は必要だ。育成時にこうげきに入る3の努力値も、この物理型の方向性をさらに後押ししている。