ドドゲザン徹底解説
鎧をまとったチェスの駒
英語名はチェスの王を意味する「king」と、対局の序盤に行う捨て駒の「gambit」を組み合わせたものだ。さらに、体の刃に合う湾曲したナイフ、カランビットへの連想も含まれている。日本語名のドドゲザンは、地面に着くほど深く土下座するイメージと、切る・刈ることへの連想を組み合わせている。この語源は、特徴的な技であるドゲザンの名前と、攻撃前に取る前傾姿勢を説明している。
見た目のモチーフはチェスだけにとどまらない。全体の姿は、侍の軍勢を率いる将軍や大名を思わせる一方、金属質の髪や頭頂部の刃、腰まわりの曲線はカブトムシを連想させる。この昆虫とのつながりは、チェスの駒と鎧、昆虫の意匠をすでに組み合わせていたキリキザンとの関係にも合っている。
指揮権を奪い取る進化
コマタナとキリキザンは、パルデア地方でドドゲザンが系統を広げる前からシリーズに登場していた。この進化では、決まったレベルに達するという従来の条件をやめ、敵のリーダーたちを倒してからレベルアップするという、テーマに沿った試練に置き換えている。どのキリキザンでもいいわけではなく、かしらのしるしを持ち、コマタナの群れの先頭に立っている個体でなければならない。
この方法は、デザインの見え方も変えている。キリキザンが戦士や副官を表すのに対し、ドドゲザンは積み重ねた経験だけで昇格するのではなく、ほかの頭領たちを打ち負かせることを示して上に立つ。その座った姿勢は、弱点というより権威を示す姿に見える。
遅れて到着する代償
バトルでは、ドドゲザンは便利な矛盾を軸に作られている。こうげきが非常に高く、ぼうぎょもかなり高い一方で、すばやさは50。素早い殴り合いに勝つつもりはない。耐えられる攻撃を受けて場に出て、隙があればつるぎのまいを使い、総大将がダメージをこちらに傾け始めるまで生き残るのが狙いだ。
あくとはがねの組み合わせは、エスパーやどくの攻撃を前にこうしたターンを作りやすくするが、かくとう、ほのお、じめんへの弱点は突かれやすい。これらのタイプのアタッカーを残した相手は、最後の全抜きを阻止できる。また、考えなしに味方を犠牲にするのも避けたい。総大将は味方が倒れるほどプレッシャーを高めるが、早い段階でパーティーを空にすると防御の選択肢がなくなり、相手に試合のテンポを握られやすくなる。
周囲のポケモンとの立ち位置
キリキザンは同じテーマと同じタイプの組み合わせを持つが、ドドゲザンはより高い耐久力とこうげきへ配分を変えている。その代償として、先手を取ることへの依存度はさらに下がり、効果抜群の技にはいっそう注意が必要になる。サーフゴーのようなはがねタイプのアタッカーと比べると、物理面での存在感が大きく、とくこうを軸にした利便性は低い。
攻撃的なチームでは、最初に繰り出すポケモンではなく、終盤まで温存する脅威として使うと力を発揮する。つるぎのまい、アイアンヘッド、ドゲザン、イカサマはそれぞれ異なる状況に対応できるが、ひとつの役割に枠を割くたび、別の役割が手薄になる。火力、技範囲、遅さのあいだにあるこの緊張感こそ、試合が始まる前に、どの相手の対策を突破したいのか決めておく必要がある理由だ。